「引退の時期を聞くより、長く続けるように勇気づけてほしい」マレーがマスコミに苦言 [シンチ選手権]

自身が手掛けるAMC(アンディ・マレー・コレクション)のウェアで練習するアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月14~20日/賞金総額142万7455ユーロ/グラスコート)の男子シングルス1回戦でブノワ・ペール(フランス)を6-3 6-2で退けたアンディ・マレー(イギリス)が、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)の『ビッグ3』について語った。

「彼らはまだ誰も引退していないから、誰がもっとも偉大かについてまだ意見は言えないよ。すべてのマスターズ大会を2度ずつ、グランドスラムもすべて2回優勝しているノバク。ラファはフレンチ・オープン13回優勝している。信じられない記録だ。ロジャーは世代を超えて活躍している。39歳なのに今でもトップレベルで戦える。彼のグラスコートの記録は凄まじい」

 ピート・サンプラス(アメリカ)の記録を引き合いに出して、3人の凄さを語った。

「現在、テニスの歴史の中で一番すごい選手たちが揃っている。サンプラスがグランドスラムを14度獲ったとき、その記録はしばらく誰にも破られないと思われた。そしたら今は20回優勝した選手、あるいは優勝できそうな選手が3人も出てきた。その時代にプレーでき、彼らにチャレンジできることはこの上ない喜びだ。テニスファンとしては彼らを見られること、選手としては彼らと対戦できることは幸せだ」


AMCのウェアで練習するマレー

 フェデラーの引退については9年前にすでに話題になっていたことをよく覚えているという。

「この数年、ロジャーが辞めるのではないか言われてきた。9年前のUSオープンの準々決勝でトーマシュ・ベルディヒ(チェコ)に負けたとき、引退するのではないかと言われたこともあったね」

 フェデラーの存在の大きさを語った。

「彼が今年辞めるのかどうか分からないけど、今でもトップレベルのプレーができるしテニスが大好きなのが分かるし、引退したら僕は驚くよ。彼は世界的なスポーツのアイコンで、彼のような存在はテニス界にはほかにいない。世界中でリスペクトもされている。プレースタイルも素晴らしいし、テニス、メディア、自分の表し方について責任も持っている。テニス界の最高のアンバサダーだ」

 選手としてはフェデラーをライバル視している。

「個人的には選手として、彼をいつもライバルのように見てきた。彼のような凄い偉業を自分が達成していないことはもちろん分かっている。でも、自分のキャリアでは彼と競争する場面が多かった。大きい大会、重要な試合でいつも対戦してきた」

 現在のフェデラーの姿を見ると、まだ続けて欲しいと願っている。

「彼が今もしていること、テニスのためにしようとしていることはアメージング。テニスを心から愛している。彼ができるだけ長く活躍できることを祈っているよ」

 引退の時期を周囲があれこれ聞くべきではないと釘を刺す。

「自分が経験してきたことも含めて、誰がいつ辞めるのかという話を質問したがるのは理解できない。本人が辞めたいと思ったら辞めるし、周りがどうこう言う問題ではない。辞める時期を聞き出そうとするのではなく、長く続けられるように勇気づけるべきではないかと思う。もし辞めてしまったら、誰もが彼を恋しく思うのは間違いない」


1回戦でブノワ・ペール(フランス)を6-3 6-2で退けたマレー

 自身も今もトップを争う自信がある。

「自分が現役を続けるのは、テニスが好きだからだ。できるだけ長く続けたい。自分がまだ世界のトッププレーヤーと戦える自信がある。6ヵ月は高いレベルでの練習を継続しているし、グラスコートでも戦える」

 完全復活を宣言した。

「よかったらほかの選手にも聞いてくれよ。彼らの多くと練習しているから、自分がどのレベルにあるか、彼らも分かっているはずだ。調子は悪くない。SNSでは僕がもうトップレベルでは戦えないという意見が大半なようだけど、自分は体の調子はいいしコンディションをできるだけよくすることに集中している。見ててくれよ!」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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