番狂わせの末にバシラシビリとフリッツが準決勝へ [ATPインディアンウェルズ]

写真はテイラー・フリッツ(アメリカ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/10月7~17日/賞金総額914万6125ドル/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で第31シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)が地元の観客たちの前で第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に4-6 6-3 7-6(3)で競り勝ち、その若きキャリアで最大の勝利を記録した。

 第3セット2-5の劣勢からふたつのマッチポイントを凌いだ末に続く5ゲームのうち4ゲームを取って巻き返したフリッツは、勝負の行方をタイブレークに持ち込んだ。タイブレークでの彼は6-1と一気にリードし、3度目のマッチポイントでズベレフのフォアハンドがアウトした瞬間に勝利が決まった。

「僕は自信を持ってフォアハンドを打ち込み、アグレッシブに戦い続けた。チャンスがあれば、常に思い切っていったよ」とフリッツは振り返った。

「僕は戦い続けた。僕を駆り立て続けてくれた観客の存在は凄く大きかったよ」

 元トップ10プレーヤーで引退したキャシー・メイ(アメリカ)の息子である23歳のフリッツは、インディアンウェルズ・テニスガーデンの明らかなお気に入りだった。彼は南カリフォルニアで育ち、プロになる前にはこの大会の若手部門でプレーしたこともあった。

 世界ランク5位だったドミニク・ティーム(オーストリア)を倒したレーバー・カップを含めてフリッツは2019年シーズンにトップ10プレーヤーから5勝を挙げたが、世界4位のズベレフは彼がこれまでに勝った最高位の選手となる。

 2019年にイーストボーンでATPツアー初優勝を飾ったフリッツは、「僕はこれまで大きな大会でここまで勝ち上がったことはなかった。これは僕の人生でダントツに最高の勝利だ。恐らく僕がプレーできる最大の大会で、本当にタフな相手に対するものだからね。本当に素晴らしいよ」とコメントした。

 フリッツは準決勝で、第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-4 2-6 6-4で破って勝ち上がった第29シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)と対戦する。もうひとつの準決勝では、前日に勝ち上がりを決めていた第21シードのキャメロン・ノリー(イギリス)と第23シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が顔を合わせる。

「ステファノスが敗れたことで優勝するチャンスがあると思っていたから、この敗戦は痛いよ。でも僕のテニスはそのレベルではなかったね」とズベレフは試合後に語った。

 東京オリンピック金メダリストのズベレフは、勝ち残っている中でもっともシードの高い選手だった。今大会ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)の『ビッグ3』が不在だったが、番狂わせが頻発してさらに数人のトップ選手が脱落していた。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより中止となり、2021年大会は3月から延期されて史上初めて秋に開催されることが決まっていた。今大会ではウイルス対策のため、観客の入場を制限して行われている。(APライター◎ベス・ハリス/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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