ノリーがバシラシビリを倒してビッグタイトルを獲得、25位以下が4強を独占した大会を制す [ATPインディアンウェルズ]

写真は優勝を決めた瞬間のキャメロン・ノリー(イギリス)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/10月7~17日/賞金総額914万6125ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で第21シードのキャメロン・ノリー(イギリス)が第29シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を3-6 6-4 6-1で倒し、トップ25圏外から同大会を制した2010年以来の男子プレーヤーとなった。

 今大会ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)の『ビッグ3』が不在だったが、番狂わせが頻発してさらに数人のトップ選手が脱落したことで45年の大会史上初めて準決勝に勝ち残った4人がすべて世界ランク25位以下の選手たちとなっていた。

「言うまでもなく、すべてのトップ選手たちが敗れたのはかなり奇跡的な出来事だったね。4人の準決勝進出者を見たとき、“うーん、これはいいチャンスだ!”と思ったよ」とノリーはコメントした。

 最終セットで2度のブレークに成功した世界ランク26位のノリーは、同36位のバシラシビリのバックハンドがアウトとなった瞬間に勝利を決めた。準優勝に終わったバシラシビリは、ATPマスターズ1000の大会で決勝に進出した初のジョージア人だった。

 1987年にこの大会がインディアンウェルズに場所を移してから25位以下の男子選手がチャンピオンになったのはノリーのほかにも2010年のイバン・ルビチッチ(クロアチア)、2000年のアレックス・コレチャ(スペイン)、1991年のジム・クーリエ(アメリカ)がいるが、偶然にも当時の彼らはすべて26位だった。ラリー・ステファンキ(アメリカ)は143位だった1985年にタイトルを獲得したが、当時はラキンタで開催されていた。

 角度をつけたショットを使うことでハードヒッターのバシラシビリに対応したノリーは、相手のミスにも助けられて第2セットの最後のゲームをラブゲームでブレークして最終セットに持ち込んだ。

「彼は難しい相手だ。彼が相手だとプレーのリズムを掴みにくいからね。第3セットはいい感じで始めることができ、ちょっとした問題はあったけ何とか踏ん張ることができたよ」とノリーは振り返った。

 第3セットの立ち上がりでブレークしたノリーは2-0とし、次のゲームで相手にブレークポイントを握られたもののそこで踏ん張って3-0とリードを広げた。バシラシビリはドロップショットをフォアハンドのウィナーで切り返して1-3としたが、ノリーが最後の3ゲームを連取して2時間弱の戦いの末に勝利をものにした。

 のちにバシラシビリは第3セットで「健康上の問題を抱えていた」と明かし、「とてもきつかった。それが何なのか言わないが、気分がよくなかった。僕にはエネルギーがまったく残っていなかった」と説明した。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより中止となり、2021年大会は3月から延期されて史上初めて秋に開催されることが決まっていた。(APライター◎ベス・ハリス/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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