「非常にがっかりしている」ビザ無効が決定のジョコビッチに国外退去命令、4連覇を目指していたオーストラリアン・オープンへの出場は叶わず

写真は拘留先のパークホテルを出発するノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 オーストラリアの連邦裁判所は1月16日、ワクチンを接種せず医療的義務免除許可を手に同国に入国しようとしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)のビザを無効にするというオーストラリア連邦政府のアレックス・ホーク移民大臣の決断に異議を唱えていたジョコビッチの上訴を退ける決断を下した。

 この一件を審議した連邦裁判所の裁判官3人は満場一致でこの判決に至り、ジョコビッチはこれにより国外退去と政府が費やした裁判での経費の支払いを命じられた。

 12月半ばにジョコビッチは新型コロナウイルス(COVID-19)に感染したことを理由に医療的な理由でのワクチン接種の義務免除許可を受け取ったと信じて渡豪したが、入国の際に国境警察により足止めを食らうことになった。簡易的な第一審で部分的には国境警察の対処が正しくなかったことを理由にジョコビッチは入国を認められたが、そのあとホーク移民大臣が権限を行使して再度ジョコビッチのビザを取り消した。ジョコビッチはこれを不服として上訴し、今回の裁判に至っていた。

 判決の直後にジョコビッチは声明文を通し、「ビザを取り消すという大臣の決定に対する司法審査の申請を却下するという判決に、非常にがっかりしています。これは即ち、私はオーストラリアに留まってオーストラリアン・オープンに出場することはできないということを意味します」と述べた。

「私は法廷の判決を尊重し、国からの退去について関係当局に協力します。ここ数週間、(テニスではなく)私個人に注目が集中していたことを私は心地悪く感じています。このようになった今、私たち皆が私の愛する大会とテニスのほうに集中できることを願っています。選手たち、大会オフィシャル、スタッフ、ボランティア、ファンの皆さんに心から幸運を祈ります」

 ジョコビッチは支持者たちに感謝の意を表明した上で、更なるコメントをする前に休息のために少し時間を取りたいと言い添えた。

 オーストラリア連邦裁判所の最高裁判所長官であるジェームズ・アルソップ氏は判決を発表する際に裁判所の役割はジョコビッチのビザを取り消すという政府の決定の真価を判断することではなく、ジョコビッチの弁護士によって提起された3つの理由に照らしてその合法性を検証することであると述べた。

「(ホーク氏による)決定の真価や賢明さを判定することは、裁判所としての役割の一環をなしてはいません」とした上で、彼はジョコビッチ側の訴えを却下する判決を告げた。

 判決の1時間前にオーストラリアの主要新聞(『シドニー・モーニング・ヘラルド』、『ジ・エイジ』紙など)が報じた市場調査によれば、オーストラリア国民の71%という大多数がジョコビッチを国外追放するという移民大臣の決断を支持していた。15%がどちらでもいいと答え、彼に入国を許すべきとしたのは全体の14%に過ぎなかった。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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