「疲れている暇はない」アルカラスが2つのマッチポイントを凌いでデミノーに競り勝ちダブルヘッダーの決勝へ [バルセロナ・オープン]
ATPツアー公式戦の「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/スペイン・カタルーニャ州バルセロナ/4月18~24日/賞金総額280万2580ユーロ/クレーコート)の大会最終日はまず雨でずれこんだ男子シングルス準決勝が午前中に行われ、カルロス・アルカラス(スペイン)とパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)の地元勢2人がタイトルをかけて対決することになった。
第5シードのアルカラスが第10シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)との接戦を6-7(4) 7-6(4) 6-4で制し、第8シードのカレーニョ ブスタは第6シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-3 6-4で退けた。
同日に決勝も戦わなければならないカレーニョ ブスタにとって、1試合目を1時間40分弱で終えられたのはいいことだった。一方で18歳のアルカラスは、23歳のデミノーとの試合で3時間39分43秒の死闘を強いられた。
しかし2つのマッチポイントを凌いだ末に勝利を掴んだアルカラスには、それでも歓喜するに十分すぎるほどの理由があった。
第1セットをタイブレークの末落として第2セット4-5からデミノーのサービスゲームという崖っぷちに追い込まれたアルカラスは、そこから相手のミスにも助けられてブレークバックに成功したが、デュースを繰り返した次のゲームをキープできず5-6とされてふたたびピンチに立たされた。相手が迎えた2度目のサービング・フォー・ザ・マッチで一度アウトとコールされたボールがビデオ判定で覆されたとき、礼儀正しいアルカラスが声を上げて抗議したことからもいかに緊迫した場面だったかが伺える。
そこから更に自分のミスで2ポイントを失ったアルカラスは40-15とされて2つのマッチポイントに直面したが、まずはパッシングショットのウィナー、次を相手のアンフォーストエラーで凌ぐと、続く2ポイントを相手のミスで取って窮地を脱した。
もつれこんだタイブレークでもデミノーがいいスタートを切ったが、アルカラスはそこからガッツを全身で表現しながらネットに出てプレッシャーをかけて4-4までは互角の凌ぎ合いが続いた。しかし次のポイントをアルカラスがこの日何度となく使ったドロップショットで取り、最後はバックハンドのダウン・ザ・ラインを決めてセットオールに追いついた。
第3セットも一進一退の競り合いとなり、先にリードしてから追いつかれたアルカラスが4-4からふたたび出力を上げてブレークしたあと最後はラブゲームでキープして長い戦いに終止符を打った。
「僕は幸運だった。僕はあのパッシングショットを打った。どうやったのかは自分でもわからない」とマッチポイントを凌いだ場面を振り返ったアルカラスは、「危なかった。でも僕は最後のボールまで戦った。僕には僕のチャンスがあり、僕は第2セットの終わりに彼のサービスゲームを2度ブレークした。信じられないほど凄い試合だった。本当に接戦だったけど、僕は戦い続けたんだ」と興奮した口調で心の内を吐露した。
同日に行われる決勝については「こんな試合のあと、この午後に決勝を戦うというのは凄く難しい。だけど、それは決勝なんだ」と漏らし、「100%を捧げなければならない。最後のボールまで戦わなければならない。僕には今、疲れている暇はない。初日のように戦わなければならないんだ」と決意を見せた。
一方でよりスムーズに準決勝を終わらせたカレーニョ ブスタは、「バルセロナは僕のホーム。ここで決勝を戦うというのは凄く特別なことだ。ふたたび100%でプレーしなければならない。この状況に身を置くというのは普通のことではないから、楽しむつもりだよ」と話した。
「昨日は(雨の中)12時間をクラブで過ごし、4ゲームしかプレーできなかったけど、1日余計に休みを取れたのは僕にとってポジティブだったと思う。今日、身体の感じはよかった。観客の声援を受けてプレーするのを心地よく感じたよ。アットホームな雰囲気というのはとても重要だね」
決勝はそれぞれ休憩を挟み、現地時間の同日午後5時半以降に行われる予定になっている。
写真◎Getty Images
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