「自分がナンバーワンだと思ったことがない」準々決勝でジョコビッチと対戦するナダル [フレンチ・オープン]

フレンチ・オープン4回戦でフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を倒したラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス4回戦で、第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第9シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を3-6 6-3 6-2 3-6 6-3で倒してベスト8に進出した。

「終盤で少しだけ自分のほうがいいプレーができた。そういう単純なスポーツなんだ。いいプレーをすれば勝つチャンスは広がるし、悪いとチャンスは当然少ない。今日は自分がよりよいプレーをしたときはリードした。でもよくなかったときは追い込まれた。第1セットはよくなかったから落とした。でも第2セット途中からよくなった。よりアグレッシブにプレーできた。第2、第3セットまではよかった」

「第4セットの初めが大きなミスだった。主導権を握っていたのに、それを手放してしまった。でも、一番重要なのはそのあとまた第5セットでいいプレーを取り戻せたことだ。特に最後の3~4ゲームは本当にいいプレーができていた。フェリックスはどんどん強くなっており、素晴らしいと思う。彼を押し込むことができないと、主導権を握るのが難しくなる。彼のビッグサーブとフォアハンドの一発目は強烈だ」

これから36時間でどのようにリカバリーに努める?

「フィジオと一緒にまずストレッチをする。それから食事を摂って寝る。明日いい練習して、午後はまた休む。以上だ。何も特別なことはない。できることも限られている。明日いい状態で練習できればうれしいね」

“キング・オブ・クレー(クレーコートの王者)”と呼ばれるのはどんな気持ち? 意識することはある? 友人や家族にもそう呼ばれる?

「家族や親しい人で誰もそんな呼び方はしない。自分でもそう意識したことがない。他のサーフェスに比べて、ここでたくさんの栄光を掴んだから、“キング・オブ・~”と呼ばれる必要もないんだ。自分がキャリアの中で何を成し遂げてきたかはわかっている。特にこのサーフェスではね。それだけさ」 

次のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は昨年の準決勝でも対戦したが、勝つためにどの部分で改善が必要だと思う?

「まったくわからない。最後の対戦は1年前。このような試合をこの3ヵ月プレーしていなかったから、大きなチャレンジになる。彼は今マッチ9連勝中かな。ローマで優勝してここでもすべての試合でストレート勝ち。自信に漲っているだろう」

「自分の置かれた状況を理解して受け入れている。とにかく全力でぶつかりたい。ロラン・ギャロスの準々決勝にいる。素晴らしいことだ。2~3週間前ローマのあとに希望が持てたとしても、ここでプレーできるかわからなかった。だから、またここでプレーできることを楽しんでいる。今は正直、出場するすべての試合、ロラン・ギャロスでのすべての試合が自分のキャリアで最後になるかもしれないと覚悟している。それが現状だ。この足は凄く悪い状態だったから、近いうちにまた問題が起きる可能性がある。だからこそ、できるだけ楽しんで、全力を尽くして、ロラン・ギャロスで勝ち進み、世界ナンバーワンと対戦するという夢を見続けられる。自分の最高のテニスが見せられればいいね」

スペインのレジェンド、アンドレス・ヒメノが34歳で初のグランドスラム優勝という最年長記録を成し遂げてから今年で50年になる。今もその記録は破られていない。彼が残した偉業をどう感じている?

「幸運にも彼と何度も会うことができた。テニスの歴史の中でもっとも重要な選手の一人だ。もうここに来られないのが悲しい。でもそれが人生だ。間違いなく、彼の偉業は僕らの中で生き続けるよ」

君がかつてナンバーワンだったときはプレッシャーを感じたり、どんなことを楽しむことができていた?

「答えられないよ。何故ならナンバーワンだったときも、自分がナンバーワンだと思ったことがなかったから。だからただの数字で気にしていない。自分がやるべきこと、大会での目標はナンバーワンでも3位でも6位でも変わらない。ナンバーワンでも5位でも100位でも変わらず、普通の生活を送っている。何位だろうと関係なく、努力してうまくなろうとしてきた。1位になってそれを守ろうだとか考えてなかったから、プレッシャーは何位でも同じだった。出場する大会のために最善の準備をするだけさ」

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写真◎Getty Images

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