「ウインブルドン優勝より大事なのは健康な体」準々決勝で負傷も勝ち抜いたナダル [ ウインブルドン]

ウインブルドン準々決勝で負傷し、メディカルスタッフと話すラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス準々決勝で第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第11シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を3-6 7-5 3-6 7-5 7-6(10-4)で倒し、ケガの状態や試合中の出来事について語った。

「感情が揺さぶられる、大事な勝利だった。結果に満足している」

――第2セットで君の父と姉がコートから離れろと言っていた。メディカルタイムアウトを取るように言われた? それとも棄権しろと?

「棄権するように言われたんだ。でも試合の途中で棄権を決断するのは難しい。キャリアの中で何度かしたが、絶対にしたくない行為だ。だから最後まで続けようとした。以上だ」

――ケガについて話してくれないか。次の試合は大丈夫なのか?

「わからない。明日いろいろ検査する。キャリアで大きなケガはあまり多くなかったから、痛みに耐えてプレーすることに慣れている。この数日間の中で、間違いなく今日は一番痛みが酷かった。それでも耐えて勝つことができた。明日どうなるか、見てみよう」

――グラスコートで3年間プレーしていなかったことが、このようなケガに繋がった?

「いや、そうは思わない。いいプレーができており、とても楽しんでいる。なかなか難しいが、ケガの問題を除けば、テニスのレベル、ショットの感触は素晴らしい。自分でもいいプレーができていると感じている。今はもちろんとても心配だ。だが、それもテニスの一部。この大会に出るため多大な努力を重ねた。でも、グラスコートだから起きた訳じゃないし、どんなサーフェスでも起こり得るケガだ」

――トレーナーとコートを離れたとき、どんな治療を受けた? またこの試合を終わらせるために、メンタルをどう持ち堪えた?

「できることは多くないんだ。ドクターがきて痛み止めをもらった。フィジオは少しリラックスできるようにしてくれた。このようなケガは一瞬で何も治せない。とにかく、まだ大会を去りたくなかった。痛みが酷いからきつかった。何とか勝利で試合を終わらせたかった。自分のファイティングスピリットを誇りに思う。よくあの状況で戦い抜けたと思う」

――最後は時速140kmのサービスでも勝てたが、この数年ケガなどがあっても何とか対処して勝利を掴めるようになったと感じる?

「どうだろうか。勝てたのはベースラインでいいプレーができたからだ。もちろん、サービスのおかげで勝てた訳じゃない(笑)。幸か不幸か、自分の置かれた状況にうまく対処できるようになっている。どんな状況でも戦えている。この状況でもプレーを向上できたことは満足だ」

――今この瞬間、準決勝でニック・キリオス(オーストラリア)と戦うチャンスはあると思う?

「正直わからないな。今はっきり答えて、明日何か起きて状況が変わったら、僕は嘘つきになってしまう。もし何らかの決断を既に下したのなら、今ここで君らと話していないだろう。今ここで正直に話しており、まだ何も決断していない。最後に決めるのは選手だが、その前にいろんな意見を聞いて、すべてをチェックしたい。ウインブルドンで優勝することよりも重要なのが健康な体だ。どうなるか見てみよう」

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写真◎Getty Images

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