初戦勝利のセレナが「トンネルの先に光が見えた」とコメント [WTAトロント]

写真はシングルスで14ヵ月以上ぶりの勝ち星をマークしたセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「ナショナルバンク・オープン」(WTA1000/カナダ・オンタリオ州トロント/8月8~14日/賞金総額269万7250ドル/ハードコート)の女子シングルス1回戦でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のヌリア・パリザス ディアス(スペイン)を6-3 6-4で下し、シングルスで14ヵ月以上ぶりの勝ち星をマークした。

 これによりセレナは、オープン化以降の時代に同大会でもっとも多くの勝利をおさめた女子プレーヤーとなった。

 ここ数年繰り返しケガに苦しめられてきた41歳のセレナがこれ以前にシングルスで勝ったのは昨年のフレンチ・オープンで、最後のタイトルは2020年オークランドまで遡る。

「トンネルの先に光が見えたってところかしから。私は光に近づきつつある。その光にたどり着くのが待ちきれないわ」とセレナは試合後の記者会見で笑いながら話した。

 その光が何を意味するのかと尋ねられたセレナは、「自由よ。私はプレーすることを愛しているから、素晴らしいわ。でも私は、これを永遠に続けるこはできない。だからときにこれは、ただその瞬間を楽しむためにベストを尽くそうとして自分にできる最大のことをするという感じなのよ」と答えた。

 いつまでテニスを続けるかという質問に対し、セレナはいつも通り明確なことは言わなかった。

 一方でセレナの姉である42歳のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)もワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したが、1回戦でジル・タイヒマン(スイス)に2-6 3-6で敗れた。

 やはり息の長い選手だったマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)はWTA(女子テニス協会)に意見を求められ、「どのように死を悼むべきかわからないように、どのように引退すべきかなど誰にも言われるべきではいわ。それは完全に個人的なことよ。もしかしたら、ふたり(セレナとビーナス)は協定を結んでいるのかもしれないし、ふたりともわからないでいるのかもしれない。或いはただ直感に頼っているのかもしれない」とコメントした。

「状況は人によってまったく違うわ。(引退の)正しい方法も間違った方法もないのよ」

 ナブラチロワ自身は引退のプランをメディアに告げたが、そうしたことを後悔していると明かした。

「あれは1993年の秋だった。私は『来年が最後の年になる』とプレスに言ったんだけど、言わなければよかったと思っているわ。言ったことで別れの過程が1年に渡り、毎週それが重荷になったの。毎週毎週がさよならで、凄く感傷的になってしまったから」

 ピート・サンプラス(アメリカ)は31歳で2002年USオープンで優勝したのを最後にプレーせず、彼が引退を認めたのは数ヵ月が経ってからのことだった。

 セレナが6月にウインブルドン1回戦でアルモニー・タン(フランス)に敗れたとき、ナブラチロワは彼女がこのまま言引退することは絶対ないと確信していた。

「そんなふうに止めたくはないものよ。ひとりのアスリートとして、あれを最後の試合にすることはできないわ。彼女がカムバックできるのは素晴らしいことよ。ビーナスを御覧なさい。彼女は私たちや彼女自身が予想したより長くプレーし、彼女はプレーを楽しんでいる! 私はただ、彼女たちが自分たちなりのやり方法でさよならできるよう願っているわ」

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写真◎Getty Images

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