ワクチン未接種のジョコビッチがUSオープンに出場できる可能性は残されているのか?
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の組み合わせ抽選が8月25日に迫る中、未だに新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを接種していないノバク・ジョコビッチ(セルビア)が大会に出場できるか否かという話題がふたたび世間を騒がせている。
会場ではラファエル・ナダル(スペイン)やセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)らのスターたちがすでに練習を始め、観客たちを引き寄せている。そんな中、USオープンが発表した今年の大会ポスターの中にジョコビッチの姿はなかった。
世界中でCOVID-19の規制は緩和されつつあるが、現時点でのアメリカ合衆国政府の規定では“アメリカ市民でない者がアメリカ合衆国に入国するためにはワクチン接種を完了していなければならない”とされている。
ジョコビッチは規則が緩和されてUSオープン参加が可能となることを期待しながら知らせを待っていると伝えられており、本人はインスタグラムを通して「僕は自分が渡米できる可能性があるかのニュースを待ちながら、大会参加を許されると仮定して準備を進めている」とコメントしていた。
ワクチン未接種によりUSオープンに先立つカナダとアメリカでの前哨戦に参戦することができなかったジョコビッチは、21回目のグランドスラム制覇を果たした7月のウインブルドンを最後に公式戦でプレーしていない。USオープン開幕が迫る中、ニューヨーク市は未だにジョコビッチが入国を許可される可能性があるか否かについて明言していない。
意見を求められた世界ランク1位のダニール・メドベージェフ(ロシア)は、「アメリカ政府の規則でそう定められているならどうしようもない。だけどもし僕が決める立場なら、もちろん僕はジョコビッチに出場してほしい。大会には世界最高峰の選手が集っているほうがいいからね」と話していた。
現在エントリーはしているジョコビッチが、入国できないと判断してドロー抽選前に出場を取り消せば、ジョコビッチ以下のシードはひとつずつ繰り上がる。しかし彼が出場を取り消さずにドローに組み込まれて、オーダー・オブ・プレーが出てから最終的に渡米できなかった場合には、彼の場所にラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)が入ることになる。
またドロー抽選後のオーダー・オブ・プレーが出る前にジョコビッチが出場を取り消した場合は「5~16シードが棄権した場合、17シードが空いた場所に入る」というITF(国際テニス連盟)の規定に則り、第5シードのジョコビッチがいた場所に第17シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)が入り、第17シードがいた場所にはシードから漏れた最高位の選手であるミオミル・キツマノビッチ(セルビア)が第33シードとして移動することになる。
写真◎Getty Images
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