握手拒否のスビトリーナにブーイング「人々に気に入られるために母国を売るつもりはない」 [フレンチ・オープン]

写真は試合後にネット際で待つアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ/右)を避けて主審との握手に向かうエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の女子シングルス準々決勝で、第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)が元世界ランク3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を6-4 6-4で退けベスト4に進出した。

 パワーを駆使してアグレッシブにボールを叩き込むサバレンカにスビトリーナが優れたディフェンス力を駆使して深いボールとプレースメントで対抗するという展開となったが、試合の大部分でラリーの主導権を握ったサバレンカが最終的にスビトリーナをねじ伏せた。

 試合終了後にサバレンカは真っ直ぐネットに向かって握手を待ったが、ロシアのウクライナ侵略に対する抗議のポリシーからロシアとベラルーシの選手とは握手しないという意志を表明しているスビトリーナはネットに近づこうとしなかった。この際に観客席からブーイングが起き、このことが小さな論議を生んだ。

「そういうことにはあまり注意を払っていない。皆を喜ばせようとするつもりはない。私には自分の立場があり、それを順守する。人々に気に入られるために母国を売るつもりはないわ」とスビトリーナは試合後にコメントした。

 この問題は議論が続いており、試合後にフランスのテレビでジャーナリストのひとりが「スビトリーナは握手をしない理由について説明しているのに、ブーイングすることは恥ずべきことで残念だ」と発言したのに対し、解説者で2000年フレンチ・オープン優勝者のメアリー・ピアス(フランス)が「人によって受け取り方は違う。戦争という情勢は理解できるけど、サバレンカが握手するのをネットで待っているのだからそこで歩み寄ったほうが平和の精神を見せることができると感じる人もいるんじゃないかしら」という別の見方を示す場面も見られた。

 スビトリーナは3回戦終了後にアンナ・ブリンコワ(ロシア)との握手を避けたあと、「(個人的反感ではなく)ロシアが行っていることに同意しないというウクライナ政府の姿勢を支持する意味でロシアとベラルーシの選手と握手はしないことにしている」と説明していた。

 四大大会すべてで4強入りを決めたサバレンカは次のラウンドで、アナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)とのノーシード対決を7-5 6-2で制して勝ち上がったカロリーナ・ムチョバ(チェコ)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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