男子は早大が早慶対決を制して無敵の15連覇を達成 [大学王座]
大学テニスの日本一を決める団体戦「2019年度全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子73回/女子55回)」(愛媛県松山市・愛媛県総合運動公園テニスコート/10月10~14日/ハードコート)の大会4日目/最終日は男女ともに決勝と3位決定戦が行われ、男子は早稲田大が慶應義塾大を6勝3敗で下し、15年連続27回目の優勝を決めた。
ダブルス3試合を2勝1敗でリードしたのは慶大だった。D1福田真大/今村昌倫で先勝すると、D3田中隆輔/佐々木健吾が逆転勝利に成功。D2川島颯/羽澤慎治も第2セットをタイブレークで奪えば3連勝も見えたが、ここは早大のD2島袋将/千頭昇平ペアが踏ん張った。
早大はレフティーのS5木元風哉で2勝2敗に追いつくものの、慶大はS4対決で甲斐直登が田中優之介に気迫のストレート勝利で3勝2敗とふたたびリードを奪う。S6伊藤竹秋も藤井颯大からマッチポイントを握り、流れは完全に慶大ペースだった。
「負けが頭をよぎった」と早大の高村祐樹主将が言う。しかし、藤井は冷静だった。マッチポイントを凌ぐとリズムと勢いをつかみ、最終セットは完全にゲームを支配した。最後は3-6 7-5 6-1で藤井が勝利を決め、早大が3勝3敗に追いついた。
藤井に続いたのはS3千頭だった。福田を6-3 6-2で倒して早大が優勝に王手。慶大はS2羽澤、S1今村のトップ2にすべてをかけるが、羽澤が1年生ながら早大のS2を務める白石光に0-6 4-6で敗れ、早大の15連覇が決まった。
「今までのどの試合よりも緊張した」と白石が安堵の表情を見せる。昨年のインターハイ3冠王は「応援の力がすごかった。勝って泣いたのは初めてです」と口にした。エース対決となった島袋と今村の試合は勝敗決定後の試合だったが、男子王座を締めくくるに相応しいハイレベルな戦いだった。
「藤井の勝利が大きかった」と石井弥起ヘッドコーチ。2勝4敗となれば、どうなるかはわからなかった。「自分を見失わないで戦ってくれた選手たちに感謝したい」と続けた。エースで4年生の島袋は「最後の王座で勝ててうれしいし、4年間王座を守れてうれしい」と笑顔を見せた。
慶大は1977年以来、42年ぶり14回目の優勝を狙ったが、またも早大に敗れて準優勝に終わった。「追い込んでも取らせてくれないのが早大の強さ。それが慶大との差」と福田主将が言う。坂井利彰監督も「まだまだ場数が足りない」としながら、それでも「今やるべきことはやりきったと思います」と選手たちの健闘を称えた。
関西対決となった近大と関大の3位決定戦は、5勝4敗で関大が勝利。昨年に続き、関西リーグで敗れたリベンジを果たした。
(文・写真◎牧野 正)
※トップ写真は、チームの優勝を決めた瞬間の白石光(早大1年)
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