男子は早大が慶大を下して14年連続26回目の日本一に輝く [H30大学王座]
大学テニスの日本一を決める団体戦「平成30年度 全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子72回/女子54回)」(愛媛県松山市・愛媛県総合運動公園テニスコート/10月10~15日/ハードコート)の競技4日目/最終日は男女ともに決勝、3位決定戦が行われ、男子決勝は早稲田大が慶應義塾大を6勝3敗で下して優勝を決めた。
男子の王座はダブルス3試合から始まる。このダブルスを2勝1敗で勝ち越したのは慶大だった。D3畠山成冴/山崎瑛二の4年生ペアで先勝すると、D2福田真大/今村昌が続いて2連勝と勢いに乗った。
慶大はダブルス3連勝を狙っていた。そこが早大の課題であり、それができればシングルス6試合のうち2試合をものにすれば優勝に手が届く。だが、それをさせないのが早大の強さか。D1対決はインカレ優勝ペアの坂井勇仁/田中優之介の早大ペアが制した。
早大にすればダブルス1勝2敗は想定内。S6藤井颯大で追いつくと、S4千頭昇平で3勝2敗と逆転に成功。だが、慶大も負けてはいない。今村昌倫が小林雅哉とのS3対決に完勝し、これで3勝3敗のイーブンとなった。
残る3試合で2試合を制したほうが勝利を手にする。王手となる4勝目を手にしたのは早大だった。古田伊蕗が逸崎凱人との4年生対決に7-5 6-2のストレート勝利。すると早大は島袋将が羽澤慎治とのエース対決を6-2 5-7 6-3で制し、早大の優勝が決まった。
「うれしいの一言に尽きます」と早大の坂井勇仁主将。「ダブルスで1勝を挙げたあと、すぐに藤井、千頭が続いてくれたことが大きかった」と後輩たちを労い、「先輩たちが築き上げてきたものをつなぐとことができた」と安堵の表情を浮かべた。
昨年に続き、単複フル出場で全勝の田中優之介は「チームに貢献できてうれしい」と満面の笑み。慶大の強さを認めつつ、それでも「最後に勝つのは早稲田」と強い気持ちを持って臨んだ。無敵の14連覇。今年も最後に笑ったのは早大だった。
慶大は今年もまた準優勝に終わった。かつてないほどの気迫と応援で早大を追い詰めたが、1977年以来41年ぶりの優勝には届かなかった。「早大の壁は厚かった。それでも、やることはすべてやったので悔いはありません。学生たちを褒めてあげたい」と坂井利彰監督。その眼には、うっすらと涙が滲んでいた。
関西対決となった3位決定戦は関西大が近畿大を7勝2敗で下し、関西リーグの雪辱を果たすことに成功した。
(文・写真◎牧野 正)
※トップ写真は、14連覇を決めた早大メンバー
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