古川禎己&根本秀明コーチ_腕がひゅんひゅん動くようになる!「スイングの加速」を導く体操と練習【本誌連動記事&動画】



ラケット面、手首などはいじらず そのままスイングしよう

 ラケットセットのあと、正しいインパクトでとりたくてラケット面を後方に置いて(または手首を下に下げて)、ボールに当てる準備をしてしまう人がいます。しかしラケット面や手首を操作するとかえって正確に当てることは難しく、スイングも加速しません。

 ラケットセットのあとは、なるべく腕の形を変えないことです。ラケットに左手を添えて体をひねると最初、腕は胸の高さにあります。ラケットヘッドは前方を指し、グリップが後ろの形です。そこから飛んでくるボール(軌道)に合わせてテークバックしていき、腕を若干下げて、あとは骨盤主導で打っていきます。そうすると腕は自動的に伸びて、あとから振られます。この間、ラケット面や手首はいじらないことが、常に正確にインパクトするために重要なことです。


(右利きのフォアハンドの場合)ラケットは身体の右側、ラケットの先端は打球方向へ向けて構えます。この構えに始まり、骨盤主導でスイングが加速し、「でんでん太鼓」のような動き(34ページまたは左ページ上写真)になります。また、このコンパクトな構えは速いテンポのプレーにも対応可能です。

ラケットセットで 左手を添え、 右手を脱力させよう

 スイングの加速で非常に重要な役割を担っているのが骨盤ではありますが、もう一つ、ラケットセットのときに(右利きの場合)右手に左手を添えて、ラケットの先端を立てて起こしておくことです、それによって腕が脱力します(写真◦参照)。 ラケットセット時に左手を早く離してラケットを寝かせてしまうと、回転運動の半径が大きくなり、回転が遅くなるか、回転(下半身と上半身のひねり戻し)そのものが使えなくなります(写真×参照)。 


両腕で支えることによって腕がリラックスする



ラケットセットのあと、高いバウンドのボールに対しては高いまま振り出し、低いバウンドのボールに対しては腕を低く下げて振り出す。ラケット面や手首をいじらない



 もっとも効率のいい打点を探していきます。(右利きの場合)最初に体をひねったときは、左肩が前、右肩が後ろ。右手に限ってみれば、右手が前、右肘が後ろです。そして骨盤主導でスイングすると、右腰、右肩が前に出てきて、打点は右肩、右肘、左肩がほぼ一直線となったところで、やや前です。そこでボールをとれば、力を入れなくても楽にボールは飛んでいきます。





 ラケットを持つと腕に力が入って思うような動き、スイングができなくなる人がいました。ムチのようなスイングでは、インパクトまでの外旋、インパクト後の内旋の動きがありますが、それができないとスイングが加速しません。

 腕の力を抜くことが難しいと感じる人は、グリップを握手する程度で握りましょう。または、下の写真を見てください。大きなコーンの先端を軽く握っても、ボールを打つことができます。

 骨盤主導でスイングの加速を手に入れることは効率的なテニスにつながり、スピードボールやスピンボールを生むだけでなく、カラダにとってもいいことが多く、ケガの予防にもつながり長くテニスを楽しむことができます。









正解は、A

コーンの先端を軽く握り、ラケットセットと同じ方法で構える(両手で支える)。コーンの底辺(すなわちラケットヘッドと同じ)を前方に向けておいて、骨盤主導でスイングすると、ほとんど力はいらず楽に振れる





参加されたみなさん

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