男子個人は「絶対に優勝したかった」白石光(秀明八千代)が気迫のV [第40回全国選抜高校テニス大会]
「第40回全国選抜高校テニス大会」(3月20~26日/団体戦:博多の森テニス競技場、個人戦:春日公園テニスコート、博多の森テニス競技場)の競技6 日目の最終日、26日(月)は男女個人戦の準決勝、決勝が3セットマッチで行われ、男子個人決勝は白石光(秀明八千代)が丹下将太(早稲田実業)を6-3 6-3で下して優勝を決めた。
昨年準優勝の白石は準決勝で町田晴(四日市工)を6-3 6-2で退け、2年連続の決勝進出を果たした。もう一方のブロックからは丹下将太(早稲田実業)が德航太(法政二)を6-2 6-4で下して決勝へ進んだ。
両者ともに団体戦は3回戦で敗れ、本戦1回戦から5試合を勝ち抜いての決勝進出。ふたりは昨年も本戦4回戦で対戦しており、白石が8-4で勝っている。同じ2年生、同じ関東、これまで何度も対戦しており、お互い手の内は知り尽くしている。
立ち上がりは決勝という独特の緊張感があり、ともにサービスブレークを許した。しかし、徐々に白石が持ち味を発揮。緩急を使った巧みなプレーで丹下のミスを誘い、第1セットを6-3で先取した。
「風が強く、とにかく自分からミスをしないように心掛けた。勝つためにはそれが一番大切だった」と白石。第2セットは2-1からの第4ゲームでブレークに成功。このワンブレークを守り抜き、白石が至福の瞬間を迎えた。
「緊張したわりには落ち着いてプレーできた。優勝したい気持ちが強く、周りからのプレッシャーも大きかったので、今はホッとしています」と白石。昨年は「優勝できたらいいな」と思っていたが、今年は「狙いにいった。絶対に優勝したかった」と気迫の勝利だった。
タイとマレーシアの遠征から帰国したばかり。体調面が不安視されたが、強い気持ちでタイトルを勝ち獲った。この優勝でUSオープン・ジュニア予選のワイルドカードを獲得。全豪と全仏の経験はあるが、本戦の舞台にはまだ立てていない。「今度こそ本戦に進んで、ひとつでも多く勝ちたい」と抱負を語った。
丹下は「悔しいです」と肩を落とした。気をつけてはいたが、白石の術中にはまってしまった。力強いストロークで押し込む場面も何度かあったが、その分、ミスも出た。「彼のような柔軟なテニス、頭の使い方ができないといけない」と課題を口にした。
準優勝に終わったが、丹下の剛のテニスは魅力的だった。チャンスではネットを奪い、自分からポイントを取りにいった。球際の強さもあり、もう少し精度を高めれば、よりレベルアップできるだろう。夏のインターハイは「3冠(単・複・団体)を狙います」と言葉に力を込めた。白石とはまた熱い戦いを見せてくれるはずだ。
写真◎上野弘明
(編集部◎牧野 正)
※トップ写真は、男子個人で優勝を飾った白石光(秀明八千代)
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