錦織はフルセットで惜敗、アンダーソンとクエリーが決勝へ [ニューヨーク・オープン]
アメリカ・ニューヨークで行われている「ニューヨーク・オープン」(ATP250/2月12~18日/賞金総額74万8450ドル/室内ハードコート)のシングルス準決勝。
サム・クエリー(アメリカ)はその土曜日、自分の試合のスコア以外のすべてについて、しっかり理解していた。
第2シードのクエリーはスコアが何なのかわからなくなってしまい、第4シードのアドリアン・マナリノ(フランス)を6-7(5) 7-5 6-3で倒したとき、自分が試合に終止符を打ったことに気づいていなかった。
クエリーはナッソー・コロシアムで最後の4ゲームを取ったが、2度連続で相手のサービスゲームをブレークしたあとベンチに向かいながら、あと1ゲームだと思い込んでいた。
「ブレークに成功し、ちょっとこぶしを突き上げたあと、ベンチに向かって歩いていったんだ。それから、ただサービスゲームをブレークしただけにしては観客が騒がしすぎたので、ふと(スコアボードを)見上げた。そして“なんてことだ、僕は勝っていた!”となったんだよ」
彼は決勝で、第1シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)と対戦する。昨年のUSオープン準優勝者のアンダーソンは、ナイトマッチで第5シードの錦織圭(日清食品)を6-1 3-6 7-6(4)で破った。錦織は、同大会がまだメンフィスで行われていた2013年から16年の優勝者だった。
世界11位のアンダーソンは、週明けにランキングが更新されたとき、2015年10月以来となるトップ10復帰を果たすことが保証されている。もし日曜日の決勝に勝って優勝を遂げれば、彼はキャリア最高の9位に飛躍することになる。
試合後の記者会見でトップ10復帰について告げられたとき、アンダーソンは「トップ10に入るのだということは、まったく知らなかったよ」と言った。
「ここ数ヵ月、トップ10に少し近づいてきていたことはわかっていたけれどね。言うまでもなく、トップ10に入るというのは素晴らしい成就だ。数年前に、1週間だけそこにいたことがあった。立ち向かわなければならないいくつかのチャレンジがあったが、ここに戻ってくるために本当に懸命に努力したから、今君が教えてくれたのは、すごくいいニュースだよ」
一方の錦織は右手首の故障から回復したばかりで、8月以来となるATPツアー復帰戦をプレーしていたところだった。
「ふたたび正しい軌道に戻ってきたと思う」と錦織は言った。「僕はここで、3つのいい試合をプレーした。ふふたたびいいプレーをし始めていると思う。可能な限り早く、大会に優勝することができるよう願っている」。
クエリーは第3セット2-3からのゲームで3つのブレークポイントを凌いで結局キープし、次のマナリノのサービスゲームをブレーク。そこからはいいペースで突き進み、2時間弱で試合を終わらせて、マナリノに対する過去4対戦で初となる勝利を刻んだ。
過去にATPツアーで試合のスコアがわからなくなったことがあったか覚えていない、とクエリーは言った。
「以前に一度も彼を倒したことがなかったから、僕は何としてでも彼を倒したいと思い、ただすごくプレーに集中していたのだと思う」
カリフォルニア出身で30歳のクエリーは、現在キャリア最高の12位につけている。彼はATPツアーの大会で10度優勝しており、昨年はロス カボスとアカプルコでタイトルを獲っていた。
アンダーソンとのここ4対戦のうち3試合で勝利を収めいるクエリーは、総合では8勝7敗でわずかにリードしている。彼は、ふたりの間で戦われた唯一の室内ハードコートでの対決だった2012年のメンフィスで勝者となっていた。
マナリノはいまだ、初のATPツアーでのタイトルを求めて模索している。世界25位の彼は、まだツアー大会で優勝を遂げたことのない者たちの中で、もっともランキングが高い選手となっている。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真はケビン・アンダーソン(南アフリカ)
NASSAU COLISEUM, UNIONDALE, NEW YORK, UNITED STATES - 2018/02/17: Kevin Anderson of South Africa returns ball during semifinal match against Kei Nishikori of Japan at ATP 250 New York Open at Nassau Coliseum. (Photo by Lev Radin/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)
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