個人的に素晴らしい活躍を見せたにも関わらず、ダビド・ゴファン（ベルギー）はデビスカップ決勝でベルギー・チームの層の厚みの欠如をカバーし切ることはできなかった。

　デ杯初タイトルを狙っていたベルギーは日曜日、フランスに対して2勝3敗で敗れ、ここ3年で2度目の決勝でまたも屈することになった。

　ベルギーは印象的な調子を見せるゴファンに率いられ、ベルギー国境に近い北フランスの町リールに駆けつけた騒々しい母国のサポーターに発破をかけられた。3日目の最後のシングルスまで、ベルギーは勝負を持ち込んだが、ベルギー2番手、スティーブ・ダルシーがそこでルカ・プイユ（フランス）に3-6 1-6 0-6で敗れた。

　下馬評でも、ジョーウィルフリード・ツォンガ、プイユ、リシャール・ガスケ、そしてダブルス・スペシャリストのピエール ユーグ・エルベールによって構成されたフランス・チームが、10度目のタイトルを獲得する可能性は“大”だと見られていた。

　しかし世界7位のゴファンは、ツォンガ、プイユに対する2つのシングルスで1セットも落とさずに勝ち、この週末を通し、開催国フランスにとって問題を生み出し得るところを証明してみせた。

「この週末のベスト選手はベルギー側にいた」と言ったのは、元世界1位のジュスティーヌ・エナン（ベルギー）だ。

　フランスは土曜日のダブルスに勝つことによって、タイトルに向けて極めて重要なステップを踏んだ。そして、ベルギーの世界76位、ダルシーがプレーしたシングルス2試合で大敗し、両国の対戦は幕を下ろした。

　フレンチ・オープンで被った足首の故障から回復したあと、ゴファンは目覚ましい活躍を見せ、このデ杯決勝まで走り続けて2017年を終えた。先週のロンドンでのATPファイナルズも決勝まで勝ち進み、グリゴール・ディミトロフ（ブルガリア）に敗れたが、その前の深圳と東京で2大会連続優勝を遂げていたのだ。

　彼はその素晴らしい調子をリールにも持ち込み、金曜日にプイユを粉砕、日曜日にはツォンガに対しても驚くべきショットを連発してベルギーの観客たちを歓喜させた。

「僕は自分のベストテニスをプレーした」とゴファンは言った。

　2015年のデ杯決勝でアンディ・マレー（イギリス）に敗れて以来、デ杯シングルスで負けていないゴファンは、同大会でのシングルスの戦績を21勝3敗に向上させた。

　最終的に敗れ、悲しみに悲しみに暮れはしたが、ゴファンは、「自分の義務を果たしたという感覚」とともにシーズンを終えたと言った。

「チームが負け、僕らは皆がっかりしている。でも皆全力を尽くした。こんなふうに終わるのは辛いことだが、僕らは今年、チームとして多くのよいことをやってのけた。来年がどんなふうになるか見てみよう」

　ベルギーの監督、ヨハン・ファンヘルクは、この週末のハイライトは「ダビドの2試合だった」と言ったが、彼はまた、「チームを誇りに思う」という点を強調した。

「いつの日か我々はデ杯で優勝すると確信している」と、彼は言った。

　2つのストレート負けを喫し、ベルギーの弱点となってしまったダルシーは、自分自身を厳しく批判した。

「僕はひどかった」とダルシー。「僕は2度叩きのめされ、自分のパフォーマンスに愕然としている」。(C)AP（テニスマガジン）

※トップ写真はチームに声援を送るダビド・ゴファン（ベルギー）
LILLE, FRANCE - NOVEMBER 25: David Goffin of Belgium during the doubles match on day 2 of the Davis Cup World Group final between France and Belgium at Stade Pierre Mauroy on November 25, 2017 in Lille, France. (Photo by Jean Catuffe/Getty Images)