伊達、大坂、松岡、チャン、チョンらが競演! [日清食品 ドリームテニス ARIAKE]
11月25日(土)、エキシビションイベント「日清食品 ドリームテニス ARIAKE」が東京・有明コロシアムで開催された。このイベントは東日本大震災の被災地支援を目的に2011年より始まったエキシビションマッチで、今年が7度目の開催。大会収益の一部が被災地のテニス協会を通じて東日本大震災の復興支援事業に充てられる。
第1試合はチョン・ヒョン(韓国)対ダニエル太郎(エイブル)。2人は今年1月にアメリカ・ハワイで行われたチャレンジャーで対戦しており、チョンが7-6(3) 6-1で勝利している。
最初は緊張感のある雰囲気で始まったが、ダニエルが強打と見せかけてドロップを打つなどアクセントをつけると、チョンもダニエルを走らせてポイントを奪うと、観客をあおり、徐々に緊張が解けていった。
ストローク力で勝るチョンに対し、ダニエルがサーブ&ボレーなど積極的にネットに出てポイントを奪いにいく。先にチョンがブレークするが、すぐにダニエルもブレークバックしてほぼ互角の展開が続く。5-5から6ゲーム先取の特別ルールでチョンがサービスゲームをキープして勝利を収めた。
ダニエルが「リラックスした感じの中でも真剣なバトルにもなって楽しめた」と試合後に勝たるとチョンは「今年最初の大会で戦ったから、お互いにプレーはわかっていた。今日はそのときとは違って楽しい戦いでした」と笑顔を見せた。
第2試合は4ゲーム先取の大坂なおみ(日清食品)対奈良くるみ(安藤証券)。こちらは大坂が試合前からマイクを握り「こんにちは」と呼びかけるなど自分のペースに巻き込むと、試合中もアンダーサービスでネットダッシュ、完全にアウトのボールでチャレンジするなどして、プレーでも奈良の調子を狂わせて4-1で勝利した。
第3試合は上池結(エイベックス)対伊達公子の7ポイントタイブレークで、アンパイアは松岡修造。「伊達さんがミスをしてもため息をつかないように!」とスタンドに呼びかけると「もうやめたんで、ご自由にどうぞ」と伊達が返す。
試合はプレー途中に給水を摂るほど、喉がカラカラに乾いて緊張した様子の上地が3-6から6-6に追い上げるが、最後は伊達が逆クロスのフォアを決めて勝利した。
第4試合は綿貫陽介(日清食品)対マイケル・チャン(アメリカ)の4ゲームマッチ。ファンを楽しませる術を知る2人は大いに観客を沸かせた。チャンが試合前に松岡に綿貫対策を求め、プレッシャーをかける。綿貫がチャンに促されてコートのだいぶ外からレシーブしてリターンエースを決めれば、チャンはフォールトとコールされたサービスを綿貫がリターンすると、2人ともそのままプレーを続行して楽しませた。チャンは続くチョンとの対戦でも、未だ錆びつかない技術の高さを披露する。
ダニエル/綿貫対内田海智(富士薬品)/中川直樹(IMG Tokyo)で主役だったのは、アンパイアを務めた錦織圭(日清食品)だった。「おっし~」「どう見てもアウトだけど、一応チャレンジする?」「昼飯食ってないんですよね~」などと自由気ままなコメントを連発して観衆を楽しませた。
この日もっとも会場を盛り上げたのは最後のドリームMIXダブルス。伊達/チャン対松岡/大坂だった。華麗なボレーの応酬、伊達/チャンのプレッシャーに負けて判定を覆す錦織アンパイア、ワンプレーごとに心の声をつぶやく松岡とそれに対して厳しい反応を見せる大坂。大坂の強烈なバックハンドなど見どころ満載。テニスの楽しさを存分に堪能できる1時間弱の大熱戦だった。
すべての試合を終えたあと、このイベントの主催者のひとりでもある錦織からファンにメッセージが届けられた。「このイベントはすごく有意義なイベントで今年はマイケル、チョンが来てくれた。世界中どこでも震災や戦争が起きていて、自分ひとりでは止められないけど、微力ながらでもみんなの助けになったり、楽しんでもらえたりすることは生きていく中で大事なこと。僕自身楽しんでできているのがいいことかなと思います」
※トップ写真は今イベント出場者。左から錦織、伊達、大坂、チャン、ヒョン、上地、奈良、ダニエル、綿貫、中川、内田、松岡(写真◎井出秀人)
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