“逆転の千葉”が14年ぶり6度目の優勝 [ソニー生命カップ 第39回全国レディース]
アマチュア女子テニスの最高峰「ソニー生命カップ 第39回全国レディーステニス大会」(11月9〜11日/昭和の森テニスセンター)の大会最終日は、準決勝と決勝および3位決定戦が行われた。
準決勝からすべて3面同時展開となった。前日、大阪と当たることが決まった三重は「大阪は友人もいるけど、メッチャ強い」と警戒していたが、D1で大阪の森川奈奈/柳原杏美ペアが今大会初めてセットを落とし、序盤はどちらが勝ってもおかしくない展開だった。だが、大阪のD2清水路恵/羽田佳子が6-2 6-3で勝利、D3の森戸朋子/後藤美紀も第2セットで突き放して7-5 6-0とし、決勝進出を決めた。
もう一方の準決勝、千葉対神奈川は最後まで競った展開となる。まず、D2で神奈川の新井未来/橋詰恵美が6-3 6-3として決勝進出に王手をかける。このときD1は6-4、D2は7-6(5)とどちらも神奈川が第1セットを奪っており、勝利まであと1セットに迫っていた。だが、ここから千葉の猛反撃が始まる。
D1で千葉の原島めい/大作ふみペアが第2セット4-4から2ゲーム連取でスーパータイブレークに持ち込み、そこでも3-3からの4ポイント連取が決め手となり、逆転。1勝1敗に持ち込み、勝負はD3の行方に委ねられた。
D3では千葉の沢出亜矢子/水野理香ペアが1-3ダウンから一気に5ゲーム連取で第2セットを取り、こちらもスーパータイブレークに持ち込んだ。2人は二度の3ポイント連取でリードを広げ、最後は相手の猛追を退けて10-6で制し、大逆転で決勝進出を決めた。
決勝では、千葉のD2鈴木智美/柴山葵が低調なスタートで第1セットを1-6で落とす。しかし、ここで柴山は「このままでは後悔する」と吹っ切れ、思い切った強打でウィナーを連発。ペアの鈴木智美も調子を上げて第2セットを6-2で取り、その勢いのままスーパータイブレークも10-2で制し、優勝まであと1勝とした。
D1では大阪の柳原杏美がネットに出て相手に圧力を加えながら、森川奈奈が後方から組み立てて戦うのに対し、千葉の原島めい/大作ふみは柳原に叩かれない位置へ正確に返しつつ、機を見て攻めていく展開になる。第1セットは長いラリーの応酬などで互角の戦いとなってタイブレークにもつれた。そこでも一進一退の攻防が続いて5-5となるが、最後は大阪が2ポイント連取で奪った。
そのころ、D3では千葉の沢出亜矢子/水野理香が第1セットを競り合いながら7-5で奪うが、第2セットは大阪の森戸朋子/後藤美紀にペースを握られ、2-5と追い込まれる。そこで沢出/水野は第2セットを落とす覚悟を決め、スーパータイブレークに向けてプレーを上げていこうと意識を切り替える。すると、そこから盛り返して5-5に追いつくことに成功した。
水野は疲労がピークに達していたが「あと2ゲームなら」とギアを上げ、ついに5ゲーム連取で7-5と逆転してチームに優勝をもたらした。
チームの敗戦を知っても大阪のD1森川奈奈/柳原杏美ペアは気持ちを落とすことなく戦いきる。「ドローで私たちが入った右の山は弱いと言われてきたので、(その山を勝ち上がった私たちが)0-3で負けるわけにはいかない」と意地を見せ、7-6(5) 7-6(1)で勝利をもぎ取り、一矢報いた。
千葉は緒戦こそ長野を3勝0敗で倒したが、その後は東京、愛知、神奈川、大阪に対してはすべて2勝1敗の勝利。苦しい状況にも大応援団の声援にあと押しされて粘り強く戦い、14年ぶりに優勝カップを千葉へ持ち帰った。
※トップ写真は優勝を決めた瞬間に喜びを爆発させる沢出亜矢子/水野理香ペア
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