子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)




子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
2024年2月5日発売/四六判、160頁/定価1870円(税込)
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 幼児教育に携わって半世紀の著者が今、親、保育者、指導者へ伝えたい大切なメッセージ。それは、子どもに対する大人のかかわり方と、(決してやらせるのではなく)子どもの心が動いて、やりたくなるような環境づくりをすること。子どもが主体的に動き出し、遊ぶ(運動する)ようになると、それは将来につながる多様な動き(身のこなし)を身につけることにもつながり、運動、さらにはスポーツを好きになる可能性も高まります。

 各種スポーツでは低年齢化が進み、幼いうちから競技を始めることが珍しくなくなってきています。それによって競技力が向上している一方、その年齢で本来経験するはずの、遊びに溢れた楽しい生活が失われていないかを考えてみましょう。本来、幼児の生活はほとんどが遊びで占められ、遊びの中で生涯にわたる人格形成がなされていきます。遊びは非常に重要なのです。

 他方で、体を使って遊ばない子どもたちが増えています。そのため動きが未熟となり、日常生活の基本動作を身につける機会も失い、すぐにケガをしたり、不器用になったり、体力や運動能力の低下が課題になっています。

 どうしたら子どもが体を使って遊びを始めるのか。そこに大人はどのようにかかわればよいのかをこの本の中でいっしょに考えていきましょう。



著者紹介

荒木尚子(あらき・ひさこ)

1954年12月1日、東京都文京区本郷生まれ。千葉大学教育学部幼稚園教員養成課程を経て1977年、東京都公立幼稚園教諭となる。文京区の幼稚園で学級担任を18年間、主任を3年間務め、その後、墨田区立立花幼稚園で教頭(4年間)、同区立緑幼稚園で園長(13年間)として公立幼稚園の教育に携わる。その間、2008~2010年東京都国公立幼稚園長会会長、2010~13年全国国公立幼稚園長会副会長から会長、2011年から内閣府の子ども・子育て支援関連の委員を務める。2015年3月緑幼稚園を定年退職後は、同年4月から2020年3月まで帝京平成大学の教授として現代ライフ学部児童学科保育・幼稚園コースを指導。その後、共立女子大学発達相談・支援センター非常勤講師、子育て広場「はるにれ」主任保育者を経て、現在は文京区地域子育て支援拠点「さきちゃんちpetit」スタッフとして0、1、2歳児とかかわる仕事に従事し、併せて文京区社 会福祉協議会登録サロン「ほんわかはぐ組」(絵本の会)を主催。(公社)全国幼児教育研究協会副理事長も務める。


〜本書148ページのエピソード〜

4歳まこちゃんが描いた絵本を著者が朗読

  本書148ページに掲載の「私のとっておきエピソード」に出てくる4歳のまこちゃんがお母さんと作った絵本を実際に読んでみます。

(本書より抜粋) まこちゃんは普段からお家でよくごっこ遊びをしていて、一人でしゃべりながら絵を描いているそうです。ある日、「絵本を作りたいから紙をちょうだい」と言いました。お母さんが新品のスケッチブックを渡すと「ボクが絵を描くけど、字は書けないから、話すことを代わりに書いて!」と言うやいなや、まこちゃんは絵を描きながら話し始めました。「ちょっとー、待ってぇー」と言いながらお母さんが書き取り、どんどん話が展開していき、30分ほどで大作が完成。そして親子合作の絵本が出来上がりました。

 なぜこのエピソードを取り上げたのかはぜひ本書をご覧ください。

 子どもの心が動いた〈そのとき〉に大人はできるだけ受け止める。

 子どもってすごいことをやるのよと大人に伝えたい。

 親、保育者、指導者へーー幼児教育に携わって半世紀の著者が伝えたい大切なメッセージが本書にはたくさん詰まっています。

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