キリオスが第1セットを落としたあと突如棄権、胃炎が原因だとのちに説明 [上海ロレックス・マスターズ]
中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月8~15日/賞金総額592万4890ドル/ハードコート)。昨年この大会で、“試合を捨てた”かどにより罰金を科されたニック・キリオス(オーストラリア)が、今年も試合を放棄した。
感情の起伏が激しいことで知られるキリオスは、火曜日にスティーブ・ジョンソン(アメリカ)と1回戦をプレーしたが、その中で主審と何度か口論している。第1セットのタイブレークを6-7(5)で落とすと、キリオスはネット際でジョンソンと、そして主審と握手して、荷物をまとめるとコートを歩き去った。
第1セットの第12ゲーム、キリオスのサービスゲームで30-30のあと、キリオスが打ったバックハンドがアウトとコールされ、彼はこれにチャレンジ(自動ライン判定)を求めた。すると、判定は覆されて、イン。しかし、キリオスはそこで癇癪を起こし、2つのボールを打ち出すと、コードバイオレーションの警告を受けた。
タイブレークでエンドチェンジを行った際、キリオスは4-2とリードしていたが、プレー中にファンが客席に入ることを許されたことについて、苛立ちを見せた。キリオスは次のポイントを落とし、それから文句を言い、悪態をつき始め、猥褻な言葉を吐いたかどで、コードバイオレーションを受けた。これで彼は1ポイントを失い、スコアは4-4となった。
そしてセットが終わったとき、キリオスも終わってしまった。彼は何の説明もせずにコートから去り、試合後の記者会見も行わなかったのだ。
彼は自分の行為について詫び、それから理由を説明するのにツイッターを使った。
「ここ24時間、僕はウイルス性胃腸炎と闘っており、試合に向けて準備を整えようと努力したが、今日はコート上で本当に四苦八苦した。最初の1ポイントから、それは明らかだった」と彼は書いた。
「今日は練習中に肩が痛み始め、それもまた助けにはならなかった。第1セットを落としたあと、24時間何も食べていなかったこともあり、試合を続けるのに十分なだけの力が残っていなかった」
ATPは、現在状況を調査中であると言った。キリオスはまた、ダブルスをプレーするか否かについては水曜日に決断を下すと言い添えた。
昨年、キリオスはミーシャ・ズベレフ(ドイツ)に敗れた今大会の2回戦で、試合を捨てたこと、またファンを侮辱したことを理由に、ATPから出場停止処分を食らっていた。勝とうという努力を怠っているように見えた、その3-6 1-6の負け試合の間、キリオスは緩いサービスを入れたり、相手のサービスがネットを越える前に、ボールに背を向けたり、といった奇妙な行動をと
っていた。
今回、キリオスはチャイナ・オープン決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に2-6 1-6で敗れたあとに、上海にやって来た。
この日は気温が32度にも上がったため、胃腸炎でなくても気分が悪くなる者が出た。第14シードのジャック・ソック(アメリカ)は予選勝者のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)に対する1回戦で、4-6 6-1 2-1でリードしていたときに脱水症状で棄権することを余儀なくされた。
また第12シードのジョン・イズナー(アメリカ)は、予選を勝ち上がったドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を4-6 7-6(5) 7-6(6)の大接戦の末に下したあと、「コンディションは過酷だった」と漏らしていた。「8月のアタランタにいるように感じたよ。ここ一年を通してプレーした中で、もっとも暑い中での試合だったと言えるかもしれない」。
そのほか行われた1回戦では、USオープン準優勝者で第11シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)がアドリアン・マナリノ(フランス)を6-3 6-1で破り、大会をスタートさせた。ライアン・ハリソン(アメリカ)は、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した地元選手のジャン・ザ(中国)を6-2 6-3で倒した。第10シードのサム・クエリー(アメリカ)は、日本の杉田祐一(三菱電機)を6-3 6-2で下し、2回戦に駒を進めた。
一方、2回戦も行われている。ウインブルドン準優勝者で第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)はカイル・エドマンド(イギリス)を6-3 7-6(5)で、第16シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は19歳のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-3 6-4で下して3回戦に駒を進めた。
アルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)と第7シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)の同胞対決は、7-5 7-5でラモス ビノラスに軍配が上がった。ファビオ・フォニーニ(イタリア)と第15シードのルカ・プイユ(フランス)の試合は、7-6(7) 6-3でフォニーニが勝利。リシャール・ガスケ(フランス)は、チョン・ヒョン(韓国)の堅固なプレーに慣れるのに時間を擁したが、3-6 6-4 6-4で挽回勝ちに成功した。(C)AP(テニスマガジン)
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