グランドスラム14連敗を乗り越えたジャン・シューアイが初の16強 [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦7日目は、男女シングルス3回戦残り試合と男女ダブルス2回戦などが行われた。
 
 8年もの間、ジャン・シューアイ(中国)とグランドスラム大会は相性がよくなかった。フラッシングメドウにおける2008年のデビューからその2年後のロラン・ギャロス、それからメルボルン・パークとオールイングランド・クラブを含む4大会のすべてで、彼女の道は常に同じ場所で止まっていた。そう、1回戦負けだ。

 2008年から2015年まで、彼女は絶え間なく14回連続で最短での敗北を繰り返してきた。同じ時期に自国のリー・ナ(中国)が2011年フレンチ・オープンと2014年オーストラリアン・オープンで優勝してスターとなり、この偉業が引き金となって中国の中流階級にテニスブームが起きた。

 しかしジャンは、31歳となった今もまだトライしている。そして彼女の『もし成功しなければ、もう一度トライしろ』という不屈の精神に対する最新の報酬は、フレンチ・オープンで初のベスト16進出という形で実を結んだ。これは彼女らしく、険しい道を乗り越えて掴んだものだった。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 クララ・ビュレル(フランス)に対する2時間12分の戦いの中でジャンは23のブレークポイントに直面し、そのうち17本をセーブした。そしてワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した若きビュレルのロラン・ギャロス本戦デビューの進撃を、ジャンが7-6(2) 7-5の勝利で終わらせた。

 2016年オーストラリアン・オープンでジャンはついにグランドスラム大会での連敗に終止符を打ったが、その際にはただ1回戦に勝っただけでなく準々決勝まで進出した。彼女はまた、2019年ウインブルドンでもベスト8入りしていた。

 今回の活躍で彼女は、フレンチ・オープン4回戦に進出した2012年のリー・ナ以来の中国人となった。

 ジャンは次のラウンドで、第7シードのペトラ・クビトバ(チェコ)と対戦する。ウインブルドンで2度優勝した実績を持つクビトバのロラン・ギャロスでの最高成績は、2012年の準決勝進出だ。クビトバは昨年のジュニアの部を制した18歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)を7-5 6-3で退け、5度目の4回戦へ駒を進めた。

 特にこの日のジャンは、シモーヌ・マチュー・コートで自分が見せたネットプレーにワクワクしていた。彼女はコーチからのアドバイスを実行に移し、ネットで22ポイントを獲得した。

「私はいまだ学んでいるわ。そして上達しようと努めているの」と彼女はコメントした。(APライター◎ジョン・レスター&ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はジャン・シューアイ(中国)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 03: Shuai Zhang of China celebrates after winning match point during her Women's Singles third round match against Clara Burel of France on day seven of the 2020 French Open at Roland Garros on October 03, 2020 in Paris, France. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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