2017年女王オスタペンコはより多くを求める [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の女子シングルス2回戦でエレナ・オスタペンコ(ラトビア)が第2シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を倒したあと、会話は直ぐに2017年に向けられた。
もちろん、それは筋の通ったことだ。何故ならそれは、オスタペンコがノーシードから快進撃でフレンチ・オープン優勝を遂げて皆を驚かせた年だからだ。その後の彼女は2年連続で初戦敗退を喫していたが、今週は2試合に勝った。
「もちろん、それは私の記憶の中で生きているわ。ここまでのキャリアで最大の勝利だから。でも私は前に進まなければならないの。たったひとつのグランドスラム大会で優勝したからといって、世界が止まる訳じゃないわ。もちろん私はもっと多くのことを成し遂げたいし、トップ10やトップ5に戻りたいと思っているの」とオスタペンコは語った。この日の彼女はウィナー数で27対9と大きく上回り、プリスコバを6-4 6-2で退けた。
「一歩一歩進まないとね。それが今の私が取り組んでいることなの。安定性、一貫性を身につけるということよ」とオスタペンコは話しを続けた。「変わらずアグレッシブな選手でありながら――それが私に多くの勝利をもたらしてくれると思う――、自分のテニスに安定性も備えるというのが恐らくカギなのよ」。
オスタペンコは次のラウンドで、世界ランク87位のパウラ・バドーサ(スペイン)と対戦する。バドーサはキャリアを通してグランドスラム大会で1勝5敗という戦績で今週を始めたが、2018年準優勝者で第29シードのスローン・スティーブンス(アメリカ)を6-4 4-6 6-2で破って初の3回戦進出をやってのけた。
一時はトップ5に至ったこともあるオスタペンコだが、現在のランキングは43位だ。それは彼女が3年前のパリで、20歳の誕生日の2日後に予想外のチャンピオンとなったときの47位と大差はない。
「あのときの私は、怖いもの知らずだった」と彼女は回顧した。「誰も私のことなど知らなかったわ」。
“来た球を全力でひっぱたく”というプレースタイルを駆使して決勝でシモナ・ハレプ(ルーマニア)に対して番狂わせを演じた2017年のオスタペンコは、1979年以降で初タイトルをグランドスラム大会で獲得した最初の女子プレーヤーとなった。
しかし最近は、オスタペンコのプレースタイルにより巧妙さが見られるようになった。
プリスコバ戦でのオスタペンコは、次々とポイントを構築していた。彼女は効果的にドロップショットを使い、女子ツアー最高レベルであるプリスコバのサービスに対処していた。オスタペンコはリターンからのポイントの54%を取り、5度ブレークに成功した。
脚の故障を抱えてパリにやって来たプリスコバは木曜日の敗戦のあとに悔しさを滲ませ、「彼女がいいプレーをすれば、厳しい相手となる可能性があることは知っているわ。でも、すべては私から始まった。間違いなく、私がいいプレーをしていなかったのよ」とコメントした。(APライター◎ハワード・フェンドリック&ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)
※写真はエレナ・オスタペンコ(ラトビア)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 01: Jelena Ostapenko of Latvia plays a forehand during her Women's Singles second round match against Karolina Pliskova of Czech Republic on day five of the 2020 French Open at Roland Garros on October 01, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
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