女子は島津製作所が3年ぶり5度目の日本一奪還 [第34回テニス日本リーグ]

日本テニス協会(JTA)が主催する「第34回テニス日本リーグ」の決勝トーナメント(2月7~9日/神奈川県横浜市・横浜国際プール/室内カーペットコート)の最終日は男女の決勝と3位決定戦が行われ、女子決勝は島津製作所が明治安田生命を破り、3年ぶり5度目の優勝を果たした。

 7年連続で決勝に駒を進めた島津製作所が初優勝を目論む明治安田生命を2勝1敗で下し、5回目の頂点に立った。第1試合はS2桑田寛子(島津製作所)が田中文彩(明治安田生命)を圧倒。第1セットの第1ゲームから5ゲーム連取で流れを引き寄せて6-1で先取すると、第2セットは田中に1ゲームも許さぬ完璧なプレーを披露した。

S2で対戦した桑田(左)と田中

 続くS1では昨年に全日本タイトルを手にした本玉真唯(島津製作所)が登場。明治安田生命は多彩なショットが魅力の澤柳璃子で反撃を試みるも、成長著しい本玉の勢いは止まらない。本玉もまた第1ゲームから5ゲーム連取する立ち上がりを見せた。

 本玉が第1セットを6-1で奪い、第2セットは第1、第5ゲームでブレークに成功。5-2で迎えた第8ゲームをサービスキープすると、最後まで声援を送り続けた仲間、チームを応援する観客席に向け、歓喜のガッツポーズ。見事にV奪還を果たした。

ルーキーながらS1として大役を果たした本玉

 第3試合に行われたダブルスは、明治安田生命の米原実令/足立真実が大前綾希子/加治遥(島津製作所)を6-2 6-3で勝利。米原/足立は予選グループから組んだ試合すべてに勝利する活躍を見せた。

明治安田生命の躍進を支えた足立(手前)と米原

 日本リーグに参戦して30年目の島津製作所。5度目の日本一を手にして「素直にうれしい気持ちがある」と小森ひろ子監督はコメントした。4連覇を達成したあと、橋本総業ホールディングス相手に決勝で2年連続敗戦したことで、「この3年目は、過去の2年と比べてより勝ちにこだわる気持ちが強かった」と語った。

 ただ、決勝のダブルスの敗戦の悔しさも大きく、チームとして素直に喜べない部分もあった。決勝を全勝で優勝する目標を立てていただけに「相手のほうが一枚も二枚も上手だった。しっかり準備してきただけに、やり切れない気持ちをどこにぶつけていいか…」と大前は唇をかんだ。

 その様子を見ていた選手兼コーチの関口友香は「最終日で1位に優勝旗をもらうチームは1チームしかできない。だから、この優勝を喜んでほしい」と笑顔で選手たちに語りかけた。全員が同じ方向を向き、同じ気持ちで戦う。簡単に思えて、とても難しいこと。全勝優勝を逃した悔しさを全選手が共有できるからこそ、日本一奪還を果たせたのだろう。

(テニスマガジン編集部◎中野恵太)

写真◎菅原 淳

※トップ写真は、3年ぶり5度目の優勝を果たした島津製作所

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