男子シングルスで1年生8人が2回戦進出、スライドした女子ダブルス予選決勝の一部はこの日も終えられず [インカレ]

1年生同士の1回戦、山口柚希(早稲田大/右)と高木翼(慶應義塾大)。ケイレンを感じていた山口は痛みをこらえた表情。写真◎BBM


 全日本学生テニス連盟が主催する学生テニス日本一を決める“インカレ”ーー「2021年度全日本学生テニス選手権大会(男子89回/女子65回)」(三重県四日市市・四日市テニスセンター/本戦8月16~22日/ハードコート)の本戦初日、16日は男子シングルス1回戦32試合と男女ダブルス予選決勝(男子5試合、女子8試合を終了)が行われた。

 日本全国が荒天となっているここ数日、インカレ本戦初日は、またも雨に足を引っ張られた。前日までに終えるはずだった男女ダブルス予選決勝をスライドさせたものの、女子ダブルスの一部の試合をさらに翌日に残すことに。結局、4試合を終えられず、そのうち3試合が試合途中となった。

 15日の時点で試合進行の遅れからスケジュールを調整し、23日の予備日を使うことにした。本戦初日に予定した女子シングルス1回戦は17日に移動させた。

 男子シングルス1回戦32試合の中から、1年生が8人、2回戦に駒を進めた。また32人の勝者のうち23人が関東勢だった。

 1年生同士の対決は4試合あり、中でもとりわけ元気だったのが山口柚希(早稲田大1年)と高木翼(慶應義塾大1年)の早慶対決だった。

 屋根付きのハードコート8面を使った試合の中で、特に激しくボールを打ち合う音と、声を反響させて目立っていたのが山口と高木だ。男女シングルス1、2回戦の試合形式が雨の影響でベストオブ3タイブレークセットマッチ(ファイナルセットは10ポイントマッチタイブレーク)の予定から、第1、2セットではノーアドバンテージを採用することに変わり、試合はさらにスリリングな展開になりやすくなった。山口と高木の試合でも、そのノーアドバンテージの場面で「4回全部取られ、それが勝敗に響いた」と高木。第1セットは4-1でリードしていたが5ゲームを連取され、結局、山口が6-4 7-6(3)で勝利した。


山口柚希(早稲田大1年)

 山口は「昨日ダブルス予選決勝を20時まで戦って、疲労があって、さらに湿気と蒸し暑さで体調がすぐれなかった」という。第2セットからケイレンの兆候が見られたが、それでもネガティブな精神はほとんど見せずに戦い抜いた。試合終了直後にはコート上に横たわり、痛みを訴えていた。

 山口も高木も最初から最後までアグレッシブにプレーし続け、1年生同士で、初めてのインカレの舞台とは思えないほど試合に入り込み、印象に残るプレーを見せた。


高木翼(慶應義塾大1年)

 対戦は初めてだったが、同学年でお互いをよく知っていた。「負けられないと思いました」と山口が言えば、「絶対に負けたくないと思いました」と高木も返し、それぞれ早慶対決を意識していたと言った。その意識は緊張ももたらすが、ふたりにとっては悪くはなく、いいプレーにつながるものと考えているようだ。

「体調が悪くてもアグレッシブにプレーし続けられた。あんなふうに感情的に(感情を前に出して)プレーしたことは今までにないこと」と山口。2回戦の相手は、またしても慶應大で第6シードの白藤成(3年)。「経験値も、持っているものも相手のほうが上。でも簡単に負けることはないように、次も自分を表現できたらチャンスはあると思っています」。

 高木は、「ノーアドになったゲームを4つ続けて落としたところに悔いが残る」と話した。ただ「最後まで気持ちが入ったいいプレーができた。もっとサービスがよければ違った展開もあったと思うので、課題が見つかってよかったです」と清々しく戦い終えた。大学テニスでの目標は「王座優勝と、来年のインカレでベスト4」を掲げた。

 17日は女子シングルス1回戦と、男子シングルス2回戦(ドローのトップハーフ)、女子ダブルスの予選決勝が行われる。試合開始は8時15分の予定。

編集部◎青木和子 写真◎BBM

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