慢性的な足のケガに苦しむナダルが2年連続USオープン欠場、今シーズンの終了を発表「回復できると強く信じている」

写真はシティ・オープンでのラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 ラファエル・ナダル(スペイン)が金曜日に出場を取り消し、USオープンはさらなるスターを失った。ナダルは慢性的な足のケガを理由に欠場を決め、今シーズンの残りをコートの外で過ごすことになった。

 今年のUSオープンではすでに5度の優勝を誇るロジャー・フェデラー(スイス)、2016年覇者のスタン・ワウリンカ(スイス)、ディフェンディング・チャンピオンのドミニク・ティーム(オーストリア)がそれぞれケガのため欠場を決めており、その中にナダルも加わった。

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)にとってナダルの不在はフラッシングメドウの男子シングルスのドローに長年のライバルのまたひとりいなくなったことを意味し、今大会で『年間グランドスラム(同じ年に四大大会全制覇)』達成を目指すハードルがひとつ取り除かれた。

「2021年シーズンの間にテニスをプレーし続けられないと発表しなければならないことについて、非常に残念に思う。でもご存じの通り、昨年から僕は足の問題に大いに苦しめられ、多くの重要な大会を欠場することになってしまった」とナダルはSNSに投稿したビデオの中でコメントした。

 先週末にフェデラーが膝の再手術が必要なためニューヨークではプレーできないと発表し、今週はティームが6月に負った右手首のケガが治らないため今季はもうプレーできないと明かした。

 男子テニスの『ビッグ3』と呼ばれるフェデラー、ナダル、ジョコビッチはグランドスラム大会での獲得タイトル数「20」で男子の最多記録を分け合っている。その中でジョコビッチは年間グランドスラムに加え、今大会でふたりのライバルを追い抜き単独トップに立つことを目指している。今シーズンの彼は2月にオーストラリアン・オープン、6月にフレンチ・オープン、7月にウインブルドンを制した。

 ナダルとフェデラーはともに、昨年のUSオープンも欠場していた。ナダルがパンデミック中での移動が困難であることを理由に、フェデラーは2020年に右膝に2度に渡る手術を受けて回復過程にあったためだった。ナダルが最後にUSオープンでプレーしたのは2019年で、その際に彼はニューヨークで4度目の優勝を遂げていた。

 USオープンの組み合わせ抽選は来週に行われ、本戦は8月30日からスタートする。

 フェデラー(40歳)、ナダル(35歳)、ジョコビッチ(34歳)は個人競技であるテニスでもっとも重要な大会のタイトルを独占し合い、互いに世界ランク1位の座を交換し合いながら男子テニス界を15年以上も支配してきた。

 今年のフレンチ・オープン準決勝でジョコビッチはナダルを倒し、そのあとナダルは疲労を理由にウインブルドンとオリンピックを欠場していた。世界4位のナダルは投稿したビデオの中で、キャリアの中で戦ってきた足の痛みがあまりに大きすぎると説明した。

「僕は昨年の間、自分が望むレベルで戦い抜く競争力を持つために必要な方法でしっかりとした練習や準備をすることができなかった。このケガは新しいものではなく、2005年から抱えていたのと同じものなんだ。あのとき医師たちは、僕のテニスキャリアの将来について非常に悲観的だった。しかし正直に言って、僕は夢見ることもできなかったようなキャリアを送ることができた。だから今回もきっと回復できると強く信じている」

 テニス選手としてのキャリアで「また数年は美しい年月を送れる」と確信しているナダルは、「毎日毎日(回復を目指し)戦う」と主張した。

 今シーズンのナダルは、バルセロナとローマのクレーコート2大会でタイトルを獲得した。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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