グランドスラム覇者対決でマレーがワウリンカに完敗「何が起きたのか理解したい」 [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)が開幕し、初日は男女シングルス1回戦が行われた。
多くの年月と手術を経てアンディ・マレー(イギリス)とスタン・ワウリンカ(スイス)がフィリップ・シャトリエ・コートに戻ってきたということは、それ自体が素晴らしい成果だった。グランドスラムのチャンピオン同士が対戦する稀な1回戦が実現したことは、言うまでもなく初日のハイライトだった。
とは言えチャンピオンらしいプレーをしたのはそのうちのひとり、第16シードのワウリンカだけだった。
秋のフレンチ・オープンの重い空気を切り裂き、有名な片手打ちバックハンドや他のストロークを強打するのに何の問題も抱えなかった樽のようにたくましい胸板のワウリンカは、マレーを6-1 6-3 6-2で圧倒するのに97分しか必要としなかった。
マレーが奪った6ゲームは、彼がキャリアを通して戦ったグランドスラム大会での237試合の中でもっとも少ないものとタイ記録だった。その以前のケースもロラン・ギャロスで、2014年にラファエル・ナダル(スペイン)に対する試合で起きていた。
「長く、深く考える必要があるだろう」とマレーはコメントした。2度に渡る股関節の手術を経て復帰への道を辿ろうと奮闘している彼は、現在世界ランク111位だ。「そして、何が起きたのか理解したい」。
目についた大きな問題のひとつは、彼のサービスがよくなかったことだ。この試合でのマレーは、ファーストサーブを36%しか入れることができていなかった。もうひとつの問題であるリターンのほうもあまり芳しくなく、ワウリンカのサービスゲームで25%のポイントしか取れていなかった。
それらのことについて、マレーは自分の人工股関節とは関係していないと断言した。
「かつてと同じレベルでプレーするのは、僕にとって難しいことだろう。今の僕は33歳でかつて世界1位だったから、抱えてきた多くの問題をすべて解決するのは難しいことだ」とマレーは語った。「でもまあ、僕は続けていくよ。次の数ヵ月がどんなふうになるか見てみることにしよう。今から今年の終わりまで、こんなふうな試合はしないと思う」。
グランドスラム優勝経験のあるふたりの男が――マレーとワウリンカはそれぞれ3つの優勝杯を手にしていた――ロラン・ギャロスの1回戦で対戦することになったのは、1999年のエフゲニー・カフェルニコフ(ロシア)とマイケル・チャン(アメリカ)以来のことだ。全グランドスラム大会を対象とするなら、2012年ウインブルドンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)とフアン カルロス・フェレロ(スペイン)以来ということになる。
ふたりはは2017年フレンチ・オープン準決勝で顔を合わせていたが、そのあと双方が何度かの手術を経験しているため当時と同じ状態ではなかった。
「彼には多くのことが起きた」と35歳のワウリンカはマレーを気遣った。「そしてそれは、僕にとっても同じことが言える」。
しかし2015年フレンチ・オープンのチャンピオンであるワウリンカの2度に渡る膝の手術からの復帰への道のりは、マレーの旅ほど険しくはなかった。そしてワウリンカのパリでの道は、少なくとももう1試合は続くことになる。(APライター◎ジェローム・パグマイア&ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はスタン・ワウリンカ(スイス/左)とアンディ・マレー(イギリス)
PARIS, FRANCE - SEPTEMBER 27: Andy Murray of Great Britain walks off the court following defeat as Stan Wawrinka of Switzerland applauds his following their Men's Singles first round match during day one of the 2020 French Open at Roland Garros on September 27, 2020 in Paris, France. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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