ATPツアー公式戦の「南フランス・オープン」（ATP250／フランス・モンペリエ／2月6～12日／賞金総額63万705ユーロ／室内ハードコート）の男子シングルス2回戦で、ワイルドカード（主催者推薦枠）を得て参戦した18歳のアルトゥール・フィス（フランス）が第4シードのロベルト・バウティスタ アグート（スペイン）を6-3 6-4で倒す番狂わせを演じた。

　上位4シードは1回戦がBYEで免除されており、バウティスタ アグートはこれが初戦だった。フィスは力強いグラウンドストロークに加え、チャンスがあればネットに出る姿勢や非常に高いレベルのオーバーヘッドやボレーで観る者をうならせた。

　1回戦で母国の大先輩でもあるリシャール・ガスケ（フランス）を破ってツアー本戦初勝利を挙げたあと「ガスケを倒したなんて、率直に言って超凄い経験だ。試合前には期待とストレスがあったけど、それはやってのけたいという意欲を伴うポジティブなストレスだった」と話していたフィスは、この日も物怖じしないパワフルなプレーで百戦錬磨のバウティスタ アグートを圧倒した。

「僕のプランはひとつだった…。僕はミスを犯さず多くのウィナーを奪い、随所でビッグサーブも決まった。彼をとてもリスペクトしているから、勝てて本当にうれしいよ」とフィスは試合後にコメントした。

「今はしっかり回復しないとね。父とコーチ、それからマネージャーにも会って、それから眠ることにするよ」

　今大会でセンセーションを巻き起こしているフィスは次のラウンドで、第5シードのアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ（スペイン）とカンタン・アリス（フランス）の勝者と対戦する。同日に初戦を戦ったダビドビッチ フォキナは第1セットを落としたが、第2セットのタイブレーク中に対戦相手のユーゴ・アンベール（フランス）が脚を負傷して試合続行が不可能になったため1-6 7-6(2)となった時点で勝利が決まった。

　この日は2回戦がもう1試合行われる予定だったが、マートン・フチョビッチ（ハンガリー）が足のケガを理由に棄権したため第2シードのヤニク・シナー（イタリア）が不戦勝で8強入りを決めた。

　そのほかの試合では第7シードのエミル・ルースブオリ（フィンランド）がミカエル・イーメル（スウェーデン）を6-4 6-0で退け、グレゴワール・バレール（フランス）はディフェンディング・チャンピオンで第6シードのアレクサンダー・ブブリク（カザフスタン）に6-4 6-7(12) 7-6(3)で競り勝ちそれぞれ2回戦に駒を進めた。

　バレールは第2セットのタイブレークでマッチポイントを手にしながら逃したが、意気消沈することなく食らいついて激戦を制した。ブブリクは8強入りした昨年10月のバーゼルを最後に勝利から遠ざかっており、シングルスでの連敗は「9」となった。

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