“アラブの星”ジャジリが約20年のキャリアに終止符「僕は最高の時代にプレーした」 [ドバイ選手権]

写真は2022年ドバイ・デューティーフリー・テニス選手権でのマレク・ジャジリ(チュニジア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「ドバイ・デューティーフリー・テニス選手権」(ATP500/アラブ首長国連邦・ドバイ/2月27日~3月4日/賞金総額302万535ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したマレク・ジャジリ(チュニジア)がアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)に2-6 0-6で敗れた瞬間、ジャジリのキャリアに幕が下ろされた。

 39歳で引退を決めたジャジリは2019年に世界ランク自己最高42位をマークし、1973年から始まったATPランキングでトップ50入りした5人のアラブ人選手のひとりとなった。彼の母国チュニジアでは後進も台頭し、女子ではオンス・ジャバー(チュニジア)が世界2まで上り詰めた。

「自分が母国チュニジアで多くの世代にとって刺激を与える存在になれていたことを願っている。チュニジアではここ数年でテニスの環境が大幅に改善されている。多くのテニスクラブが誕生し、たくさんの人々がテニスに注目するようになったよ」とジャジリは話した。

 2005年のデビスカップでツアーレベルでの初勝利を飾ったジャジリは2018年5月にATP250のイスタンブールで決勝に進出し、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、マリン・チリッチ(クロアチア)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)という3人のトップ10プレーヤーから勝ち星を挙げた。

「非常に感情的になっていた。最後の大会をプレーするということはそれがキャリア最後の試合になるかもしれない訳で、実際にそうなった。僕はコートの上ですべての瞬間を楽しもうとした。ここドバイでプレーすることができて幸せだ。ドバイは心の一部であり、僕にとって大きな意味がある。ここでは何度もプレーしてきたから、最後の舞台としてドバイで戦うことができてうれしいよ」とジャジリは試合後にコメントした。

「この決断についてはあまり考える余地はなかった。昨年はケガが多かったし本当に大変だったからね。それでも僕は20年以上もプレーしてきた訳だから、簡単に止められるものじゃない。これからは今までのルーティンが大きく変わるけど、どのような未来が待っているのか楽しみにしているよ」

 ジャジリは約20年に渡る自分のキャリアを振り返り、「僕はほとんどの大きなセンターコートでプレーしてきた。スタンドが観客でいっぱいだと非常に感動的だ。僕は最高の時代にプレーした。ロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、アンディ・マレー(イギリス)がいた時代にトップ50になれたのは素晴らしいことだった。サーキットの一員として彼らとコートを分かち合えたのは喜びだ」と語った。

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写真◎Getty Images

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