第5シードの本玉真唯と第16シードの秋田史帆が決勝へ [第94回三菱全日本テニス選手権]

日本テニス協会(JTA)が主催する「三菱全日本テニス選手権 94th」(賞金総額2874万円/本戦10月26日~11月3日/東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦7日目、女子シングルス準決勝は2試合が行われ、第5シードの本玉真唯(島津製作所)と第16シードの秋田史帆(橋本総業ホールディングス)が明日の決勝へ進んだ。

 先に決勝進出を決めたのは本玉だった。ノーシードから勝ち上がってきた森崎可南子(橋本総業ホールディングス)を6-3 0-6 6-1のフルセットで下し、勝利の瞬間は緊張感から解き放たれて大きな声を張り上げた。

 第1セットは森崎が先にブレークして3-1とリード。しかし、そこから本玉が「食らいついていった」と5ゲーム連取に成功し、試合の主導権を握った。森崎の武器でもあるフォアハンドを封じながら、着々とポイントを積み重ねた。

 ストレートで決着をつけるべく第2セットに臨んだ本玉だが、第1ゲームを3度のデュースの末に落とすと、緊張がピークに達したという。勝ちを意識した訳ではない。「身体が動かなくなって、どんどん崩れていった」とミスを連発、1ゲームも奪えなかった。

 最終セットは本玉が3-1とリードした第5ゲームが勝負の分かれ目となった。デュースが5度続くロングゲーム。「これを落とすと(森崎は)カムバックしてくると思った」と本玉が言い、森崎も「あそこでしたね」と振り返る。4-1とした本玉が「ようやく落ち着けた」と2ゲーム連取し、決着をつけた。

試合後の握手を交わす本玉(右)と森崎

 そのあとに行われた第4シードの加治遥(島津製作所)と秋田の準決勝は、3時間15分に及ぶロングマッチの末、秋田が7-6(7) 6-7(5) 6-4で勝利を手にした。

 決勝への想いは、どちらも同じほど強かっただろう。秋田も、加治も、闘志を前面に押し出して戦った。お互いがタイブレークを取り合い、最終セットは加治がオールキープの3-2から第6ゲームで0-40と3つのブレークポイントを奪った。

「強い気持ちを持って戦った」と秋田

 だが、秋田はこのピンチを凌いだ。「できることをやり続けた」と必死のプレーで追いついた。2-4とならず、3-3に戻したことで勢いが出た。5-4で迎えた第10ゲームは4ポイント連取で2年ぶり2度目の決勝進出を決めた。

「一瞬でも気持ちで引いたら負け。お互い、そう思っていたと思います」と秋田。最後は体力勝負でもあったが、「振り回しの練習もしてきたし、走れるし、打てるのが自分のテニス。最後までラケットを振りきれた」と胸を張った。

ベスト4に終わった加治(左)

 明日の決勝は、20歳の本玉と29歳の秋田の対決となった。ふたりの対戦は2年前、牧之原国際女子で一度だけあり、そのときはフルセットの末に秋田が勝利している。「自分のテニスをするだけです」と本玉が言えば、秋田は「2年前と違い、明日の決勝は自信を持って臨めます」と口にした。どちらが勝っても初優勝だ。

※トップ写真は、決勝進出を決めた瞬間の本玉真唯(島津製作所)

取材◎牧野 正 写真◎菅原 淳

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