齋藤惠佑と三井駿介は揃って準々決勝敗退、女子ダブルスも敗れて日本勢全滅 [世界スーパージュニア]
国内最大のジュニア国際大会「大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス選手権大会」(ITFグレードA/大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター/本戦10月14~20日/ハードコート)の本戦5日目は、男女シングルス準々決勝と男女ダブルス準決勝が行われた。
日本勢のシングルスでは三井駿介(アクトSC)と齋藤惠佑(グローバルプロテニスアカデミー)が勝ち残っていたが、いずれもスイスの選手に敗退。ディフェンディング・チャンピオンで第4シードの齋藤は第5シードのドミニク ステファン・ストリッカー(スイス)に1-6 3-6で完敗し、昨年のダブルス覇者で第3シードの三井も第10シードのジェフリー・フォン デル シュレンバーグ(スイス)に5-7 3-6で敗れた。
ダブルスでは第1シードの川口夏実(日本)/ディアンヌ・パリー(フランス)が第5シードのバイ・ズオシャン(中国)/ヤン・ヤーイー(台湾)に6-7(2) 3-6で敗れ、ノーシードから勝ち上がってきた勝見幸璃(MAT Tennis Academy)/山口藍(高崎テニスクラブ)の快進撃も第4シードのマリア・ボンダレンコ(ロシア)/マイ ナパット・ニランドン(タイ)に4-6 2-6で止められた。
◇ ◇ ◇
昨年はノーシード、ノーマークで劇的優勝を遂げた齋藤にとって、この大会は特別だ。夏に左膝を痛めて1ヵ月はテニスができず、USオープンで復帰してからも満足のテニスができていないというが、そんな特別な舞台にプレーすれば「何かが起こるかも」という期待がなくはなかった。
しかし、身長164cmと小柄ながら左利きを武器に足を使ったしぶとさと安定感を持ち味とする齋藤にとって、膝にわずかでも不安を抱える悪影響は大きい。まだ「違和感」が残る中、ここまで苦しみながら勝ち上がってきたものの、フレンチ・オープン・ジュニアのダブルス準優勝などの実績がある長身のストリッカーのショットの威力には太刀打ちできなかった。
「悔しいけど、強い相手というのはわかっていたし、今の状態を考えたら厳しかった」と振り返った齋藤は、このあと全日本選手権の予選にワイルドカード(主催者推薦枠)で挑む予定だ。
一方、やはり接戦をものにしながらここまで勝ち上がってきた三井は、今日も好スタートを切った。立ち上がりから3ゲームを連取。しかし、「セカンドサーブでかなり攻められてプレッシャーをかけられていたので、ファーストの前半でリードしているときもそんなに余裕はなかった」という。第7ゲームでブレークバックを許し、5-5からのサービスを落として流れを奪われた。
相手のサービング・フォー・ザ・セットでは40-0からデュースに追いつく粘りを見せたが、ブレークバックには及ばず。悪い流れを引きずるように第2セットもサービスダウンでのスタートとなり、反撃のチャンスをつかむことはできなかった。
「もうちょっと勝ちたかったけど、結果のことは言ってもしょうがないので、この大会を含めて今年の経験を来年につなげていけたら」
声のトーンは沈みがちだったが、努めて前向きに語った。
週末に日本人が一人も残らない年は珍しい。シングルスの準決勝、ダブルスの決勝に男女を通じて日本人が一人もいないという事態は、実に2000年以来となる。当然、週末の盛り上がりに不安が過る。さらに明日は雨の予報で、弱り目に祟り目。しかし、まだスターでもない海外のジュニア選手目当てのファンが不思議と多いのがこの大会の特色だ。金の卵を探す熱気は、いかほどか。久々に大阪のファン気質の見せどころ(?)である。
(ライター◎山口奈緒美)
※トップ写真は男子シングルス準々決勝で敗れた第4シードの齋藤惠佑(グローバルプロテニスアカデミー)
撮影◎宮原和也 / KAZUYA MIYAHARA
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