マッチ30連勝中だった優勝候補筆頭のシナーが第3セット5-1から失速して2回戦で敗れる大波乱「エネルギーが落ちてしまった」 [フレンチ・オープン]

写真は試合中に苦しそうな様子を見せるヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月24日~6月7日/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、最初の2セットを連取した第1シードのヤニク・シナー(イタリア)がフアン マヌエル・セルンドロ(アルゼンチン)に6-3 6-2 5-7 1-6 1-6で敗れる番狂わせが起きた。

 完全に主導権を握って第3セット5-1と勝利目前まで迫ったシナーはが暑さの影響でフィジカル的に苦し始めて失速し、6ゲームを連取して形勢を逆転したセルンドロが最後の3セットを連取して3時間36分でキャリア最大の勝利をもぎ取った。

 第3セット5-4からのレシーブゲーム40-0となったところでコート脇の看板に腰をかけたシナーが立ち上がってからもポジションに付けない様子を見た主審は審判台を降りてシナーの元に駆け寄り「タイムバイオレーションを取られるかフィジオを呼ぶか」と問いかけ、医師の診察を求めたシナーはベンチに戻って「眩暈と吐き気がする」と説明した。

 コート離れて処置を受けたシナーはプレーを続けたが、体調が回復することはなく第4セットと第5セットで1ゲームずつ取るのがやっとだった。

 今シーズンのシナーは1月のオーストラリアン・オープン3回戦でケイレンに見舞われたが、第3セット1-3の場面でヒートポリシー(酷暑対策のルール)が適用されてロッド・レーバー・アリーナの屋根が閉じられたあとエリオット・スピジーリ(アメリカ)に4-6 6-3 6-4 6-4で勝って危機を乗り越えていた。

 最大の優勝候補を倒す大金星を挙げたセルンドロは次のラウンドで、ヴィート・コプシバ(チェコ)を1-6 2-6 6-4 7-5 6-0で破って勝ち上がった20歳のマルティン・ランダルーセ(スペイン)と対戦する。

 試合後の記者会見で何が起こったの聞かれたシナーは暑さについては言及せずに「眩暈が酷くなり始め、悪戦苦闘していた」と答え、「エネルギーが凄く落ちてしまった。サービスゲームで締めくくろうとしたけど、力が出なかった」と説明した。

「第4セットは少し力を抜いて第5セットに少しでもエネルギーを回そうとしたんだ。(第5セット)第1ゲームは非常に重要だったのに、キープすることができなかった。そこから調子が落ちていってしまった…」

「今朝起きたときからあまり体調がよくなかったから、ポイントをできるだけ短くしようと心掛けていた。最初はクリーンでいいショットを打てていたんだけど、そのあと壁にぶつかってしまった感じだった」

 シナーは3月のインディアンウェルズからATPマスターズ1000シリーズ5大会連続優勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)しか成し遂げていなかった『ゴールデンマスターズ(マスターズ9大会全制覇)』を達成して今大会を迎えたが、今季の連勝は「30」でストップした。

 昨年のウインブルドンで初優勝を飾ったシナーは全豪(2024~25年)と全米(2024年)でもタイトルを獲得しており、全仏で勝てば『生涯グランドスラム(キャリアを通して四大大会全制覇)』を達成することができる。

「クレーコートシーズン全体を振り返ると非常にいい結果を残せた。本当にいいプレーができたし、3大会連続で優勝することができた」とシナーはポジティブな面に目を向けた。

「今日はいろいろなことが重なってこうなったんだと思うけど、こういうことが起こることもある。今は何が悪かったのか整理する時間が必要だし、ウインブルドンに向けていい練習ができるというポジティブな面もある。今年はまだ重要な大会がたくさんあるからね」

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写真◎Getty Images

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