男子は相生学院が全員テニスで充実の春夏連覇 [南部九州インターハイ]
第76回全国高等学校対抗テニス大会および第109回全国高等学校テニス選手権大会(南部九州インターハイ テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦/KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園、宮崎市生目の杜運動公園)の大会3日目は、男女団体の準決勝と決勝が行われ、男子は相生学院(兵庫)の日本一が決まった。
酷暑が続き、重篤な救急搬送車が多数出たことにより、大会側は前夜、準決勝と決勝の試合方法を3セットマッチから8ゲームプロセットへと変更した。
先に決勝へ駒を進めたのは、湘南工大附(神奈川)だった。四日市工(三重)との準決勝はS2望月滉太郎が敗れたものの、S1鈴木久統とダブルス田中瑛大/齋藤成で勝利。優勝した2013年以来、6年ぶりのファイナル進出となった。
5年ぶり3度目の優勝を狙った四日市工。地元開催で3回戦進出に終わった昨年の成績は上回ったが、優勝には届かなかった。「チャンスはあったけれど、選手はよく頑張ってくれた」と徳丸真史監督。S1副田温斗は前日の激闘で力が出しきれず、最後は石川瑛大/永井健太の2年生ダブルスが7-9で力尽きた。
もう一方の準決勝は、トップシードの相生学院が柳川(福岡)を2勝1敗で下して決勝へ進んだ。相生学院はS2東竜平が8-3で先勝し、中村秋河/清原幹太のダブルスが8-6で決めた。
優勝24回は男女を通じて歴代トップ。2006年以来、13年ぶりのVを狙う柳川だったが、相生学院に行く手を阻まれた。「大分舞鶴との準々決勝を乗り越え、もうひとつ、ここを乗り越えたかった」と柳川の本田健児監督。それでもチームの敗戦が決まった直後、S1小川智裕が気迫の勝利を挙げて意地を見せた。
決勝は春の選抜と同じく、相生学院と湘南工大附の東西対決となった。両校ともに初戦から不変のオーダー。相生学院は2年連続4回目、湘南工大附は6年ぶり5度目の優勝をかけて、3面同時進行でスタートを切った。
飛び出したのは、相生学院のダブルスだった。中村/清原がアグレッシブなプレーで一気の6ゲーム連取。田中/齋藤はポイントは取れてもゲームが取れず、そのうちにリズムと勢いを失い、8-1で相生学院が優勝に王手をかけた。
もう負けられない湘南工大附はS1鈴木、S2望月の2連勝に望みをつなぐが、どちらもゲームを支配していたのは相生学院だった。日本一を決めたのはS1高畑里玖。シュアなストロークで1-1から怒濤の7ゲーム連取で至福の瞬間を迎えた。
「この暑さの中、選手たちは本当に集中して戦ってくれた」と相生学院の澁谷竜矢監督が春に続いて宙に舞う。「シングルスの2人は安心して任せられる。ダブルスで勢いづけていこうと」という読みがピタリと的中した。
「決勝が一番いいプレーができた」と中村が言えば、清原は「チャレンジャーの気持ちで戦った。向かっていけた」と勝因を語った。清原が後ろでボールをつくり、中村がネットで決めるのがペアの持ち味。決勝はその持ち味が十分に出ていた。
準決勝で敗れた高畑はその悔しさを決勝にぶつけた。自らの手で優勝を決めた瞬間は目頭を押さえた。「この仲間と3年間ずっとやってきた。これが最後の試合、そこで日本一になれて本当にうれしい」と喜びを語った。
S2東の安定感も際立っていた。春の選抜に続いて無敗で駆け抜け、それでも「チームの優勝に貢献できてうれしい」と謙虚に語った。サービスとフォアハンドに成長を見せ、特に厚い当たりのフォアハンドは圧巻だった。
春に続いて準優勝に終わった湘南工大附。「プレッシャーをかけていかなければいけないのに、こちらがかけられての戦いになってしまった」と瀬野圭紀監督。S1鈴木は「自分のプレーをさせてもらえなかった」と悔しさを露にした。春のリベンジはならなかったが、S1鈴木とダブルスの齋藤は2年生。この経験、悔しさを次へつなげたい。
大会4日目となる8月5日からは個人戦がスタート。男子シングルス1~4回戦と女子ダブルス1~3回戦、準々決勝が行われる。試合開始時間は9時の予定。
(編集部◎牧野 正)(写真◎小山真司)
※トップ写真は、2年ぶり4回目の優勝を決めた相生学院(兵庫)
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