チチパスが準決勝へ「辛い敗戦を乗り越えて強くなる」 [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦11日目は、男女シングルス準々決勝と女子ダブルス準々決勝などが行われた。
自分に疑念を抱き、どうしてこんなにも上手くいかないのか思ってしまう理由がステファノス・チチパス(ギリシャ)には最近たくさんあった。そしてそれでも彼は、ロラン・ギャロスで初の準決勝進出を決めた。
水曜日の準々決勝で、第5シードのチチパスは対戦相手からの小さな助けも受けて形勢を逆転することに成功した。序盤に劣勢だった彼は5ゲームを連取して13ゲーム中11ゲームを取り、勢いに乗って主導権を取り返すと第13シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を7-5 6-2 6-3で倒した。
第1セットで先にブレークを許してリードされていたチチパスは、ルブレフがサービスゲームをキープすればセットを取るというゲームで4本のアンフォーストエラーを犯したときにその遅れを取り戻した。そしてチチパスはアンフォーストエラー(17本)の2倍のウィナー(35本)を決め、ネットに出た17回のうち16回でポイントを取っていい波に乗った。
ボレーのウィナーを決めてラブゲームでサーブをキープして勝利を決めたあと、チチパスはネット際に立って大きな笑みを浮かべた。
先月のUSオープン3回戦でチチパスは6本のマッチポイントを決め損ね、セットカウント2-1で第4セットも5-1という大きなリードを棒に振ってボルナ・チョリッチ(クロアチア)に挽回勝ちを許した。
それからフレンチ・オープン開幕日と同じ日だった9月27日のハンブルグ決勝で、彼はルブレフに対して第3セット5-4からサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えながらまたしても締めくくることができず、ふたたび落胆を誘う敗戦を喫したのだった。
そしてその2日後のパリにおいて、チチパスは世界ランク109位のジャウメ・ムナール(スペイン)に対する1回戦で最初の2セットを落とした。
それでもチチパスはその劣勢に気力をくじかれることはなかったし、また明らかに自分のここ最近の欠点に押しつぶされてもいなかった。というのも彼は続く3セットを取ってムナールを倒しただけでなく、それ以降1セットも落としていないからだ。
「これに先立つ数週間はいくつかの敗戦のために少しばかり難しかったし、正直に言うとやや常軌を逸していた」とチチパスは1回戦に勝ったあとに打ち明けた。「でも僕は、それらの出来事から学ぼうとしている。そこから成長し、それらの辛い出来事を乗り越えて強くなり続けようと努力しているところだ」。
金曜日に予定されている準決勝で、チチパスは世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。第1シードのジョコビッチはナイトマッチだったこの日のもうひとつの準々決勝で、第17シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を4-6 6-2 6-3 6-4で退けた。
もうひとつの準決勝は、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)と第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が顔を合わせる。
今大会でのナダルは、自らの記録更新となる13度目の優勝と20回目のグランドスラム制覇を目指している。もしそれが実現すれば、ロジャー・フェデラー(スイス)の持つ男子の最多記録に並ぶことになる。
一方のシュワルツマンはこれまで一度もグランドスラム大会の準決勝でプレーしたことはないが、クレーコートのローマにおけるナダルとの最新の対戦で初勝利をおさめている。(APライター◎ジョン・レスター&アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
※写真はステファノス・チチパス(ギリシャ)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 07: Stefanos Tsitsipas of Greece celebrates after winning match point during his Men's Singles quarterfinals match against Andrey Rublev of Russia on day eleven of the 2020 French Open at Roland Garros on October 07, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Ranking of articles
-
2024-04-22
[最新ATPランキング] 2024年4月22日付
-
2024-04-22
ルードがチチパスにモンテカルロの借りを返してキャリア最大のタイトルを獲得「待った甲斐があった」 [バルセロナ・オープン]
-
2024-04-21
ルードが2大会連続決勝進出、相手は前週敗れたチチパス「明日はキャリア最大のタイトルを目指す」 [バルセロナ・オープン]
-
2024-04-17
2022年フレンチ・オープン以来となるクレーコート大会参戦の大坂なおみは初戦敗退 [WTAルーアン]
-
2024-04-20
チチパスが2つのマッチポイントを凌いだ末に4強入り「敗北にかなり近づいていた」 [バルセロナ・オープン]