苦情のあと広告は取り下げられ、大坂はテニスに集中

 日本のテニススターである大坂なおみ(日清食品)は、今後スポンサーは自分を描く際に意見を求めるよう願うと言ったが、今、彼女はオーストラリアン・オープン(1月14日〜27日/オーストラリア・メルボルン)の決勝に臨むにあたり、自分のテニスに集中しているという。

 大坂のメインスポンサーである日清食品は、“無神経”と批判された末、彼女を白い肌に描いたアニメのオンライン広告を停止した。

 同社への批判について大坂は尋ねられた。広告を批判している者たちは、そのアニメの絵が大坂のふたつの人種からなるバックグラウンドを反映していないと言っているのだ。

「彼ら(日清食品)とは話したわ。担当の方々は謝っていた」と大坂は言った。

「私は小麦色だわ、かなり明白よね」

 大坂は、このCMに自分をホワイトウォッシュする意図があるとは思わない、と言った。

「でも次に彼らが私の肖像を描いたり、そういうことをしようとするなら、そのことについて私に話してほしいと感じている」と大坂はメルボルンで記者たちに言った。

 彼女は木曜日に行われた準決勝で、天性のスムースなパワーを活用してカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を6-2 4-6 6-4で下した。

「私は今、試合に集中している。グランドスラム大会の決勝に進出したの。それが私の最優先事項よ」と大坂は言った。

 日清食品のスポークスマンである岡林大祐氏は木曜日、日清食品には今月初めに公開されたCMにより、人種の多様性に失礼を働く意図はまったくなかったこと、ふたつのアニメのクリップは同社のウェブサイトから削除された旨を説明した。

「私たちは人権を第一に考えている企業であり、人種の多様性を尊重するスタンスは変わりません」と岡林氏は電話インタビューを通して言った。

 岡林氏は、この広告は大坂の代理人(マネージメント会社)によって是認されたが、のちに削除するよう要請されたと言った。彼は、日清食品は引き続き大坂をサポートし、この騒ぎが彼女の気を散らすようなことになってほしくないと思っている、と話した。

 日本に10年以上住んでいるアメリカ人のベイ・マクニール氏は、日本人は頻繁に、世界的視聴者の気分を害しかねないことをしていることに気づいていないと言った。日本の英字新聞ジャパンタイムズでの彼のコメントは、日清食品の広告に対して誰よりも早く怒りを表明したもののひとつだった。

「このCMの中の彼女は完全に白人のように描かれている」と日本の人種問題について書いているマクニール氏は言った。

「非常にホワイトウォッシュされている」

 彼は、日本の企業が世界的市場にアピールしたいと考えているなら、より差別なく包括的でなければいけないとし、「彼らはそのレベルで考えていないのだ」と言い添えた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はオーストラリアン・オープン女子シングルス準決勝前の大坂なおみ(日清食品/右)とカロリーナ・プリスコバ(チェコ/左)(撮影◎小山真司 / SHINJI OYAMA)

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