ナダルに完敗のジョコビッチ「彼は偉大なチャンピオン」 [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)との頂上決戦を6-0 6-2 7-5で制し、3度目の4連覇とともに自身の持つ最多記録を更新する13度目の優勝を果たした。
グランドスラム大会でナダルがタイトルを獲得したのは昨年のUSオープン(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)以来で通算20回目となり、男子歴代トップのロジャー・フェデラー(スイス)に並んだ。
「彼は進み続ける。彼を引き留められるものは何もないようだ。驚くべきことだよ。僕は彼の業績のすべて、特にここでの成功に敬服している」とジョコビッチは相手を称賛した。「言えることはあまりないよ。使うことができるすべての最上級の賛辞に彼は値する」。
34歳のナダルが1セットも落とさずにこのお気に入りの大会に勝ったのは、これが4度目だ。そして彼はこの日、フレンチ・オープンでの戦績を100勝2敗とした。
これはナダルとジョコビッチが戦った56回目の対戦で、プロ化以降の時代では最多のものだった。ジョコビッチは2019年オーストラリアン・オープン決勝での6-3 6-2 6-3の勝利も含め、まだ29勝27でリードしている。
「オーストラリアで彼は僕をこてんぱんにやっつけた…。今日は僕の番だったね」とナダルはコメントした。
この日のナダルがアンフォーストエラーを14本に抑えたのに対し、ジョコビッチは52本だった。このカギとなる統計は誰に対する試合であっても印象的だが、相手がジョコビッチのような選手であれば特に際立つ。
「彼は驚異的だった」とジョコビッチは舌を巻いた。「特に彼は、最初の2セットでは完璧な試合をプレーしていた」。
キャリアにおけるグランドスラム大会での341試合の中で、ジョコビッチが0-6でセットを落としたのは4度目に過ぎない。
開催の季節が変わったことで気候は通常より寒くて雨が多くなり、それがバウンドをより低く遅くするなどクレーコートがショットに与える効果にも影響を及ぼした。ナダルを含む何人かは、大会がボールを幾分重いものに変えたことと合わせてそれが自分のプレーに影響を与えることを不安視していた。ナダルは、「今年は恐らく、かなり難しくなるかもしれない」などと発言していたのだ。
しかし終わってみれば、そんな心配は無用だった。
今大会でジョコビッチが多用していたドロップショットにナダルは予測力とスピードを使ってこれ以前の他のどの対戦相手たちよりも上手く対応し、ジョコビッチの戦略の成功率を落とすことに成功していた。
「今日はあまりうまく機能しなかった」とジョコビッチは認めた。
試合開始直後からナダルはジョコビッチのサービスゲーム6回のうち5ゲームを取り、最終的に7度のブレークに成功した。ナダルは試合を通して5度ブレークポイントに直面したが、そのうち4本をセーブした。
決勝が始まって2時間以上が過ぎた頃、ジョコビッチはバックハンドのウィナーを決めて最初で最後のブレークを果たし、第3セットで3-3と追いついた。その瞬間にジョコビッチは叫び声を上げ、両手を振って観客からの声援を煽った。しかし抵抗はあまりにわずかで、あまりに遅すぎた。それから30分も経たないうちに、すべては終わっていた。
「ラファは皆が間違っていたことを証明して見せた」とジョコビッチは語った。「だからこそ、彼は偉大なチャンピオンなんだ」。(APライター◎ハワード・フェンドリック&ジョン・レスター/構成◎テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 11: Novak Djokovic of Serbia sits down following defeat in his Men's Singles Final against Rafael Nadal of Spain on day fifteen of the 2020 French Open at Roland Garros on October 11, 2020 in Paris, France. (Photo by Shaun Botterill/Getty Images)
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