腰の手術を乗り越えボブが復帰、ブライアン兄弟の勝利はマレーのためのレッスンになるか? [オーストラリアン・オープン]

「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月14~27日/ハードコート)の大会3日目、男子ダブルス1回戦。
ボブ・ブライアン(アメリカ)がプロテニスの歴史でもっとも成功をおさめた男子ダブルスを再編成しようと先の12月、練習のために双子の兄マイク・ブライアン(アメリカ)と合流したとき、彼の腰の手術から4ヵ月が経ったところだった。
ボブは今、冗談めかして言うが、マイクが不在の間、別のパートナー(ジャック・ソック)と2つのグランドスラム・タイトルを獲ったあとだっただけに、それは、かつての役割を取り戻すための“オーディション”のように感じられたのだという。
水曜日に、ブライアン兄弟はチームとしてグランドスラムの舞台に戻り、1回戦で勝利をおさめた。
それは、言うまでもなくボブにとって大きな意味を持つ勝利であり、兄マイクにとってもそうだったが、もしかするとアンディ・マレー(イギリス)にとっても、何らかの重要性を持つことなのかもしれない。マレーもまた、同じような手術を受けようか否か、思いを巡らせていたからだ。
「彼はタカか何かみたいに、僕のことを見ていたよ。試合や練習のあとにどんなふうに感じているか、今どんな状態か、盛んに質問してきてね。彼はただ、このような選択肢を選んだ場合に、どのくらいの時間がかかるのか測ろうとしているようだ」とボブはマレーについて語った。
3度グランドスラム大会を制したマレーは、痛みの消えない腰に手術を受けるか否か、まもなく決めると話していた。
「僕はただ、協力的であろうとしている。僕は一度も、『これが進むべき道だ!』などと言っていない。なぜって、シングルスはまた別の物だってことがわかっているからだ。シングルスのプレーヤーたちは本当にそこら中をスライドして回り、4時間もの間、自分を痛めつけ続けている」とボブは続けた。
「この(人工)関節が持ちこたえるかどうか、わからないじゃないか」
ここまでのところ、ボブにとって、ことはいい具合にいっている。彼のグランドスラム大会復帰戦は、アレックス・ボルト/マーク・ポールマンス(ともにオーストラリア)に対する7-6(4) 7-6(1)の勝利だった。
「グランドスラム大会でコートに歩み出て行くその瞬間に、すごくワクワクした。僕らが中断したまさにその場所に戻って来た、というように感じられた。こいつはすごく懸命に努力した。彼はすごく高いレベルをもたらしている」とマイクは言った。
マイクは、双子の弟ボブが治療と回復に専念している間、ソックとチームを組んでウインブルドンとUSオープンで優勝していた。
「彼は俊敏だ。サービスの調子も戻り、すべてを取り戻した。デュースコートを見やって、こいつが戻って来たのを目にすると、かなりウキウキする。彼が本当に強く望んでいたのがわかるんだ。僕らはこんなふうにしたいのさ。僕らはいっしょにプレーし、もう一度、最後のひとっ走りをしたいんだよ」
40歳のアメリカ人ペアは、ふたりで組んで「16」のグランドスラム・タイトルを勝ち獲り、そのうち6つはメルボルンパークで獲ったものだった。そしていっしょに、ツアーで100を超えるタイトルを獲得した。彼らは何百という週を、ダブルス世界1位の座で過ごした。
しかしボブは、腰の状態の悪化のため、昨年5月にツアーから離れることを強いられた。最初、彼はリハビリと、幹細胞注射のような治療法で治そうと努めたが、それで問題を解決することはできないということが明らかになったため8月に手術を受け、金属の人工関節を埋め込んでの腰の修復を行った。
数日のうちに、彼は松葉杖をついて動き出し、数週間で杖をついて歩けるようになり、2ヵ月もしないうちにテニスボールを軽く打ち始めた。
「ああ、少し時間はかかる。僕は、おそらく今と比べ、60%くらいの体調だった。彼は僕にちょっぴり肋骨をくれたんだよ」とボブはマイクについて言った。
「彼は協力的だった。でもまた同時に『こんなふうに落ちていくなんてだめだ。まだそんなときじゃない』なんて言っていたよ」
マイクは「ああ、僕は励まして背中を押したよ」と裏づけた。
その努力は報われたようであり、ボブは、それはマレーにとってもいいサインだと考えていた。
「いいかい、この手術を受けてシングルスのコートに復帰した者はひとりもいない。僕はダブルスではそれが可能だということを示しているわけだ」とボブは言った。
それを聞いて、マイクはくすくす微笑みながら、こう口を挟んだ。
「明日また、どんなふうに感じているか見てみようよ」(C)AP(テニスマガジン)
※写真はボブ&マイクのブライアン兄弟(撮影◎小山真司)
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