猛暑! USオープンで選手たちは湿度が高い過酷な天候に直面、6人が途中棄権

 アメリカ・ニューヨークで開催されている「USオープン」(8月27日~9月9日/ハードコート) の2日目、選手たちは暑さから逃れようと先を争い、ある者たちは逃れきれずに試合を途中棄権した。

 ウインブルドン・チャンピオンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、猛暑のため非常に厳しいコンディションとなったこの日、エンドチェンジの間に気分が悪くなったと明かした。あまりの暑さゆえ、USオープンのオフィシャルは女子ツアーにだけ存在するエクストリーム・ヒート・ルールを、男子にも適用したほどだったのだ。

「すごく過酷だった」と2014年USオープン・チャンピオンのマリン・チリッチ(クロアチア)は言った。チリッチは、対戦相手のマリウス・コピル(ルーマニア)が第3セットの出だしに棄権したため、試合を終えずして勝利をつかんでいた。

 WTAのルールは、第2セットと第3セットの間に10分間コートを離れることを許している。そして火曜日には、男子も第3セットと第4セットの間に似たような休憩時間をとることを許された。

 ニュ―ヨークの猛暑注意報が、試合開始時間と同じ11時に発効されたこの日には、それでさえ十分ではなかった。気温32度+、体感温度は38度を超え、注意報は水曜日の夜9時まで解除されないことになっていた。

「10分の休憩? 僕には1時間半は必要だったよ」と、第4セットの途中で棄権したレオナルド・メイヤー(アルゼンチン)は振り返った。彼はまた、男子プレーヤーはグランドスラム大会で5セットマッチをプレーすることをやめる必要がある、とも言った。

 コピル、メイヤーのほか、ミカエル・ユーズニー(ロシア)、リカルダス・ベランキス(リトアニア)、フィリップ・クライノビッチ(セルビア)、ステファノ・トラバグリア(イタリア)の6人の選手が試合の途中で棄権した。エンドチェンジの際にアイスタオルを首にかけつつ迅速に勝利を決めた選手たちは、自分たちはラッキーだったと考えていた。

「この手の暑さの中で第3セットをプレーしなくて済むよう、本当に必死にトライしたわ」と女子の第5シード、ペトラ・クビトバ(チェコ)は言った。

 そのほかの女子の勝者の中には、2011年USオープン優勝者のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)を下した第2シードのカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、第10シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア)もいた。

 第6シードのジョコビッチは、マートン・フクソービッチ(ハンガリー)との1回戦で、第3セット後の休憩を経て第4セットに突入し、結局6-3 3-6 6-4 6-0で試合を終わらせた。これはジョコビッチにとって、2016年決勝でスタン・ワウリンカ(スイス)に敗れたとき以来の、USオープンでの試合だった。

 ジョコビッチは勝ち進めば、準々決勝で第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)とぶつかる可能性がある。USオープンで5度優勝した経験を持つ、フェデラーはナイトマッチで日本の西岡良仁(ミキハウス)を6-2 6-2 6-4、1時間52分で退け、2回戦に進んだ。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は1回戦の試合途中、首をアイスタオルで冷やすノバク・ジョコビッチ(セルビア)(撮影◎毛受亮介)

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