女子は中里亜優菜が全小に続く2冠、男子は富田悠太がV [全日本ジュニアU12]
「DUNLOP SRIXON 全日本ジュニアテニス選手権 '18 supported by NISSHINBO」(大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター、江坂テニスセンター/8月8~17日/ハードコート)の大会9日目は、靱会場で12歳以下の男女シングルス決勝が行われた。
男子は5月の全国小学生で優勝した若松泰地(関西/パブリックTE)と、ベスト4の富田悠太(東海/チェリーTC)の対戦となった。富田はネットに出てボレーで仕留める形で攻めようとするが、前に出ようとしたところで若松の鋭いパッシングショットに抜かれてしまう。無理にネットには出ず、ストロークで勝負する方法に切り替えると、しっかり若松の逆をとりながら、ポイントを重ねていった。1-2から5ゲーム連取で一気に第1セットを奪った。
第2セットも富田ペースのまま進み、4-1とリードする。ネットプレーも効果的に決まるようになり、第2セットも主導権を握り続け、6-2で制した。
「全国選抜ジュニア、全小どちらも3位だったので優勝できてうれしい」と富田。前日フルセットでタイブレーク2本の死闘で疲れが心配されたが、「1日寝たら回復した」という。それでも「全日本は競った試合になると思ったが、ここまできついと思わなかった」と大会を振り返っている。
女子の決勝は全小で優勝した中里亜優菜(関東/荏原SSC)に、ベスト8だったクロスリー真優(関東/ENDEAVOR)が挑んだ。だが、過去7度ほどの対戦はすべてクロスリーが勝利していたという。
中里が攻めてクロスリーが守るという展開で進む中、クロスリーも機を見ては仕掛けてポイントを奪い、序盤に奪ったリードを最後まで守り抜き、6-4で第1セットを奪う。
第2セットは中里が3-1とリードしたが、ここからクロスリーが猛反撃を見せ、逆に5-4リードで自身のサービスゲームを迎えた。「勝ちが目前に見えた」というが、そこでまさかの熱中症の症状が出てしまう。何の前触れもなく、気持ち悪くなり、コート上でトレーナーの治療を受けた。
中里はここで「もう無理だと思ったら、絶対に勝てない。諦めなかったら、7-5にできた」と一気にひっくり返して最終セットに持ち込んだ。クロスリーはその後プレーを続けたが、思い通りのプレーができず、中里が6-0で試合を終わらせた。
「今大会、自分のプレーに不安が多かったけど、大事な決勝で一番自分のプレーが出せた。第2セットの4-5のところが、勝てた一番のポイントだった」と中里は笑顔を見せた。敗れたクロスリーも同じところをポイントに挙げている。「あのゲームから体調が悪くなり、自分から崩れた。もっと心を強く持ちたい」と悔やんだ。
「齋藤咲良さん、クロスリーさんとは14歳になってもいっしょに戦うと思う」と中里が言うように、今後もこの世代トップを争うライバルたちとともに切磋琢磨して成長してくだろう。
(編集部◎池田晋)
※トップ写真は、12歳以下女子シングルスで優勝した中里亜優菜(関東/荏原SSC) 写真◎井出秀人
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