大会8日目、全小王者への挑戦権を獲得した2人 [全日本ジュニア]
「DUNLOP SRIXON 全日本ジュニアテニス選手権 '18 supported by NISSHINBO」(大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター、江坂テニスセンター/8月8~17日/ハードコート)の大会8日目は降雨のために予定より3時間遅れの12時30分から、靱会場で12歳以下の男女単複準決勝が行われた。
男子シングルス準決勝は、7月の全国小学生(以下、全小)で優勝した若松泰地(関西/パブリックTE)が小柳遥人(北海道/SFC)をストレートで下した。日本一になった自信は大きく、ストローク力の差で常に主導権を握り、小柳を左右に走らせてポイントを重ねた。
第1セットは6-1で奪ったが、第2セットで小柳が意地を見せて1-3から3-3に追いつき、勝負はもつれるかと思われた。だが、若松がすかさずラブゲームでふたたびリードすると、そのまま3ゲームを連取して、決勝進出一番乗りを決めた。
もう一方の準決勝は、2セットがタイブレークにもつれる死闘となった。序盤は富田悠太(東海/チェリーTC)が主導権を握り、得意の強打とネットプレーでポイントを奪い、5-3とリード。しかし、武藤守生(九州/福岡パシフィックTA)の丁寧にコーナーをつくショットが徐々に富田のリズムを狂わせる。
武藤が3ゲームを連取して6-5と逆転するが、富田もそこで踏みとどまりタイブレークにもつれ込んだ。タイブレークでは、決め急いだ富田がミスを連発し、武藤が7-1で制した。
第2セットに入り、我慢強くラリーをつないでから、チャンスで確実に仕留めることで富田が本来の姿を取り戻す。ショットの威力で勝る富田のショットが決まりだすと、武藤は苦しくなった。富田がウィナーでポイントを終わらせられるようになり、6-3で最終セットに持ち込んだ。
最終セットは互角の攻防でふたたびタイブレークにもつれると、今度は富田がチャンスボールをしっかり決めて、大逆転で決勝に進出した。全小では準決勝で敗れたが、今回はもう一歩先まで進んで若松との決勝に挑む。
女子の準決勝は、7月の全小を制した中里亜優菜(関東/荏原SSC)に、同大会で2回戦敗退の河野望奈(中国/チェリーTC)が挑んだ。2人は5月の全国選抜ジュニアでも対戦しており、そのときはフルセットの末に中里が辛ろうじて勝利した。
今回は中里が7-6(3) 6-4でストレート勝利を収めるが、河野の強烈な両手打ちフォアハンドに大いに苦しめられた。ただ、大事な場面でミスが出てしまい、それがわずかな差となって結果に現れた。試合直後、「悔しいけど、自分のプレーを出しきった」と河野は清々しい表情を浮かべた。
もうひとつの女子準決勝は、クロスリー真優(関東/ENDEAVOR)がストレートで金巻知里(関東/葉山TC)を下した。サービスを確実に入れてラリー勝負に持ち込み、時折放つ強烈なフォアで徐々に差を広げていった。金巻は「理想にしていたプレーもできたけど、最後決めるところでミスが出た」と振り返った。
クロスリーは優勝を狙えるだけの力がありながら、全国選抜ジュニア、全国小学生はともにベスト8の壁を超えられなかった。だが今大会は前日に、第1シードの齋藤咲良(関東/ミナミグリーンTC)をストレートで倒し、ついに大きな壁を打ち破ったのだった。
クロスリーと金巻はその後、ダブルスでも対戦。そこでは北原結乃(関東/Team YUKA)と組んだ金巻が、6-3 0-6 10-7でリベンジに成功。「シングルスでは負けたので、ダブルスでは絶対勝ちたかった。マッチタイブレークは気合いでいった」と笑顔を見せた。
明日は靱会場で、9時30分から男女シングルス決勝、11時以降に男女ダブルス決勝が行われる。
(編集部◎池田晋)
※トップ写真は、12歳以下男子シングルス決勝に進出した富田悠太(東海/チェリーTC) 写真◎BBM
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