男子は川橋勇太(3年)、女子は森崎可南子(4年)と単は筑波大がアベックV [H30春季関東学生]
「平成30年度 関東学生テニストーナメント大会」(神奈川県・根岸・緑・泉中央テニスガーデン、埼玉県・大宮けんぽグラウンド、東京都・有明テニスの森公園他/本戦4月30日~5月6日)の本戦7日目、最終日は男女シングルスと男女ダブルス決勝、女子ダブルス準決勝が行われ、各種目の優勝者が決まった。
男子シングルス決勝は、第1シードの島袋将(早大3年)と第10シードの川橋勇太(筑大3年)で争われ、川橋が6-3 6-4のストレート勝利で優勝を飾った。
昨年の覇者であり、インカレ王者でもある島袋に対し、川橋がチャレンジャー精神で真っ向から挑んだ。第1セットは3-2から先にブレークに成功。すぐにブレークバックを許したが、ふたたび気迫のブレークで、第1セットを6-3で先取する。
島袋の武器でもあるサービスとフォアハンドを粘り強く返し続けた。攻め急ぐ島袋のミスが増え、第2セットも川橋のペースで試合が進んでいく。5-3リードの第9ゲームでは3度のマッチポイントを逃したが、第10ゲームをキープで締めて決着をつけた。
大会を通して1セットも落とさなかった。「以前に比べて落ち着いてプレーできるようになった。一球でも多く打ち返す自分のプレーを貫くことができた」と川橋が満面の笑みを見せた。過去2年のインカレはともにベスト32。「本番は夏のインカレ。最終目標はそこで優勝することです」と力強く語った。
2連覇を狙った島袋だが、川橋のディフェンスを崩しきれなかった。「(川橋は)しっかりとラリーを組み立ててくる。それに対応できなかった」と悔しさいっぱい。島袋らしい力強いプレーは最後まで見られず、川橋の勢いに押しきられた。
ジュニア時代から何度も大舞台を経験している島袋だが、やはりどんな大会でも決勝は緊張するという。「足も動かず、空回りしてしまった。自分の未熟な部分を改めて感じました」とポツリ。悔しさを噛みしめながら、出直しを誓った。
女子シングルス決勝は、第2シードの森崎可南子(筑大4年)と第3シードの上唯希(早大4年)の4年生対決となり、森崎が6-4 6-1で優勝を決めた。
森崎にとっては念願のタイトル獲得となった。昨年は準優勝、昨年のインカレとインカレ室内はベスト4。上位進出の常連選手ではあるものの、優勝には手が届かず、悶々としていた。
その要因となっていたのが集中力の欠如だ。破壊力抜群のフォアハンドを持ちながら、一度リズムを失うと、そのままズルズルと後退してしまう場面が少なくなかった。しかし、今回の上との決勝は最初から最後まで気を引き締め、少しも隙を見せなかった。
「みんなの応援のおかげ。本当にうれしい」と森崎。「周りから期待されているのに優勝できない自分が悔しかった」と涙ぐんだ。卒業後はプロ転向を目指している。「就職活動もしたんですが、やっぱりテニスをやりきりたいなと」。意識の高さ、決意の表れが最高の結果に結びついた。
上は準決勝で第1シードの清水映里(早大2年)をファイナルタイブレークで退けての決勝進出。しかし、その疲労は色濃く、森崎のパワフルなショットに屈した。
「ミスしても打ってくるし、ボールの威力、スピードは(対戦した中で)一番でした」と勝者を称えた。第1セットは0-3から4-6まで追い上げたが、第2セットは0-5と引き離されて万事休す。随所に上らしいクレバーなショットを見せたが、続かなかった。
男子ダブルス決勝は、第7シードの楠原悠介/小宮山僚(法大3年/4年)が第1シードの坂井勇仁/田中優之介(早大4年/2年)を6-7 7-6 [10-5]で下して優勝。女子ダブルス決勝は第4シードの森崎可南子/牛島里咲(筑大4年/4年)が第10シードの朝倉菜月/松田美咲(亜大2年/2年)を6-2 7-5で退けてV。森崎はシングルスとダブルスの2冠獲得となった。
(編集部◎牧野 正)
写真◎BBM
※トップ写真は、男子シングルスで優勝を決めた川橋勇太(筑大3年)
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