ジョコビッチがアルカラスとの新たなライバル対決を制して39回目のマスターズ制覇「人生でもっとも厳しい試合のひとつ」 [ウェスタン&サザン・オープン]

写真はATPマスターズ1000大会で自身の持つ最多記録を更新する39回目の優勝を飾ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月13~20日/賞金総額766万5215ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)に5-7 7-6(7) 7-6(4)で競り勝ち、ATPマスターズ1000大会で自身の持つ最多記録を更新する39回目の優勝を飾った。

 36歳のジョコビッチがツアー大会の同種目でタイトルを獲得したのは6月のフレンチ・オープン以来で通算95回目となり、イワン・レンドル(アメリカ)を抜いて単独3位となった。彼はまた1970年に35歳で制したケン・ローズウォール(オーストラリア)の記録を破り、同大会の最年長チャンピオンに輝いた。

 第1セットを先取したアルカラスは第2セットも4-2とリードしながら追いつかれたが、もつれ込んだタイブレークで相手のサービスではあったが6-5として勝利に迫っていた。逆にピンチを凌いでセットオールに追いついたジョコビッチは第3セット5-4で迎えたサービスゲームをキープすることができなかったが、ふたたびもつれ込んだタイブレークで4-4から最後の3ポイントを連取して3時間49分の死闘に終止符を打った。

 ここまで4つのフルセットマッチを乗り越えてきたアルカラスも第3セット3-5から2本と4-5から2本のチャンピオンシップポイントをセーブするしぶとさを発揮したが、最後は手のケイレンにも見舞われ力尽きた。

「正直に言って“クレイジー”だ。ほかに何と言えばいいかわからない。大会やカテゴリーやレベルや相手に関係なく、これまでの人生でもっとも厳しい試合のひとつだったことは間違いないだろう。最初から最後まで2人とも本当に多くのアップダウンを潜り抜けた。信じられないポイントやお粗末なゲーム、熱中症や挽回劇なども含めてね」とジョコビッチは試合後のオンコートインタビューで語った。

「こうした瞬間や試合のために僕は日々努力を続けている。もっとも重要な瞬間に最高レベルのプレーを実現できるということを僕は決して疑っていなかった。ゾクゾクするよ」

 世界ランク1位の座を争うふたりは今季3度目の直接対決だったが、ジョコビッチが2勝目(通算2勝2敗)を挙げた。6月のフレンチ・オープン準決勝はアルカラスが緊張感から全身にケイレンを起こして4セットでジョコビッチが勝利をおさめたが、先月のウインブルドン決勝ではアルカラスが1-6 7-6(6) 6-1 3-6 6-4で雪辱してチャンピオンに輝いていた。

「ライバル関係はよくなっていくばかりだ。彼は驚くべき選手だよ。僕は彼を大いに尊敬している。これだけ若いのに重要な瞬間にあれほどの落ち着きを見せるのは印象的だ」とジョコビッチは若きライバルを評価した。

 アルカラスもまた表彰式で「あなたとコートを分かち合って対戦し、あなたから学べるのは素晴らしいことだ」と話し、「この試合は本当に接戦だったけど、僕はあなたのようなチャンピオンから多くのことを学んだ。あなたとチームにおめでとうと言いたい」と敬意を表した。

 これに先立ち行われたダブルス決勝では、マッシモ・ゴンサレス/アンドレス・モルテーニ(ともにアルゼンチン)がジェイミー・マレー(イギリス)/マイケル・ビーナス(ニュージーランド)とのノーシード対決を3-6 6-1 [11-9]で制して今季5勝目を挙げた。


男子ダブルス優勝のマッシモ・ゴンサレス(アルゼンチン/左)とアンドレス・モルテーニ(アルゼンチン)(Getty Images)

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写真◎Getty Images

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