エドマンドが初のグランドスラム準決勝進出 [オーストラリアン・オープン]
オーストラリア・メルボルンで開催されている「オーストラリアン・オープン」(1月15~28日/ハードコート)の男子シングルス準々決勝。
今大会でイギリス人男子プレーヤーが準決勝に進出するのは、ここ9年で7度目だ。しかし今回それをやってのけたのは、カイル・エドマンド(イギリス)なのだ――アンディ・マレー(イギリス)ではなしに。
エドマンドは、第3シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-4 3-6 6-3 6-4で倒し、キャリア初のグランドスラム大会準決勝進出を果たした。エドマンドは、これまで一度もグランドスラム大会の準々決勝をプレーしたことはなかったし、ツアーレベルで5試合連続で勝ったこともなかった。そして過去にディミトロフと対戦した2試合の双方で敗れ、トップ5の選手を倒したことも一度もなかった。
ところが、ロッド・レーバー・アリーナで、彼はそのすべてをクリアした。
「ここまでの自分のプレーぶりを、大いに気に入っている」とエドマンドは言った。「僕の初めてのグランドスラム準決勝だ。今日は初めて世界でもっとも大きなコートの一つの上でプレーし、グリゴールのような質の高いプレーヤーを倒した。素晴らしいフィーリングだ。だから、ああ、僕はただ、できる限りこの経験を楽しみたい」。
試合終了の時点ではまだ決まっていなかったとはいえ、彼は準決勝で、世界6位のマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦することになった。チリッチと対戦した世界1位のナダルは、第4セットで長い治療を必要とした故障のため、第5セットの出だしでリタイアしていた。
第4セットの第9ゲームでディミトロフのサービスをブレークしたあと、エドマンドはサービスエースによってマッチポイントをセットアップし、それからディミトロフの最後のショット――浮いたバックハンド――がアウトだということを、ビデオ(自動ライン判定)が確認するのを待たなければならなかった。
「最後のゲームでは、ただただナーバスにならないよう踏んばり、最後のボールがアウトであることを祈ったよ」とエドマンドは振り返る。それはアウトだった。そしてその瞬間、昨年の準決勝で、5セットの熱戦の末にナダルに敗れ、ほんの2週間前の「ブリスベン国際」でエドマンドを倒していたディミトロフもまた、大会の外に追いやられた。
「この手の段階、世界最高峰の大会の最後の段階に至るというのは、非常に喜ばしいことだ。でももちろん、僕は進み続けたい」とエドマンドは言う。
11月にシーズン末の「ATPファイナルズ」で優勝を遂げていたディミトロフは、第30シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と、勝ち残っていた唯一の地元選手だった、第17シードのニック・キリオス(オーストラリア)を続けて倒し、ベスト8に勝ち進んでいた。
「僕のやったことのどこがまずかったのかについて語ることには、何の意味もない。今、肝心なのは彼のことだ」とディミトロフは、エドマンドについて言った。
「今日、すべては彼にとってよい方向に進んだ。失望を隠すのは難しい。心が痛むよ。そしてそうであって当然だ」。
マレーは5度、オーストラリアン・オープンの決勝に至ったが、優勝したことは一度もなかった。彼は今月上旬に腰の手術を受けたため、今年は大会を欠場していた。
それもあって、23歳のエドマンドがイギリスのテニスファンの注目の的となったのだ。エドマンドは1回戦で、昨年のUSオープン準優勝者のケビン・アンダーソン(南アフリカ)を倒していた。
「過去8年のアンディ・マレーでいることが、どんな感じがするものかは、わかっている」と49位のエドマンドは言った。「僕自身がいい成績を挙げたのは、たぶんこれが初めてだ。だから、より大きな注目を集めている。もちろん難なく切り抜けるさ」。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はカイル・エドマンド(イギリス)
Photo: MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 23: Kyle Edmund of Great Britain celebrates winning his quarter-final match against Grigor Dimitrov of Bulgaria on day nine of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 23, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by XIN LI/Getty Images)
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