2回戦でディミトロフを追い詰めたマクドナルド「すべての瞬間を楽しめた」 [オーストラリアン・オープン]
「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月15~28日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、予選勝者のマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)が第3シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)をあと一歩のところまで追い詰めたが、最後は6-4 2-6 4-6 6-0 6-8で敗退した。
マクドナルドは、UCLAでの大学時代を終えて、自分はプロに転向する準備が整ったと感じていた。オーストラリアン・オープンで見せたサプライズは、彼の決断が正しかったことを証明した。
22歳のマクドナルドは予選を勝ち抜き、2回戦で世界3位のディミトロフを恐怖に陥れた。約3時間半の死闘をディミトロフが制したが、ロッド・レーバー・アリーナでマクドナルドにあと一歩で敗戦のところまで追い詰められた。
「自分の持てるものをすべて出し尽くした。長い試合だったけど、そのすべての瞬間を楽しむことができた」とマクドナルドは語った。
マクドナルドはランキング186位で今大会に出場。昨年は3度グランドスラムの予選で敗れているが、今季のオーストラリアン・オープンで悪い流れを断ち切った。予選3回戦でステファン・ロベール(フランス)を3セットで下し、本戦への切符をつかんだ。
本戦1回戦で同じく予選上がりのエリアス・イーメル(スウェーデン)を倒す。マクドナルドにとって、これがツアーレベルでの初勝利だった。大学を2016年で離れ、下部大会で苦しんでいたマクドナルドにとって、この勝利は大きな後押しになった。
「スタートのときは特に、自分に自信を持てないものだ。フューチャーズやチャレンジャー大会で早期敗退すると、きついものがある。このスポーツと向き合うには、しっかり冷静さを保たなければならない」と1回戦を終えたあとにマクドナルドはコメントした。
ディミトロフとの2回戦で、当然マクドナルドの下馬評は圧倒的に低い。彼がこれまでに対戦した、もっともランキングの高い選手は2016年にニューポートで対戦した69位のラジーブ・ラム(アメリカ)だった。
しかし、マクドナルドは怯むことなく、果敢に挑み、ATPファイナルズ王者のディミトロフのサービスゲームをブレークして、第1セットを奪った。しかし、さすがにディミトロフの大反撃を食らって第2、第3セットを連取されてしまう。
マクドナルドは第4セットを6-0で制すと、その試合を心から楽しんでいる様子だった。第5セットではウィナーを決めると、何度も両手を挙げて観衆を味方につけようとした。
「勝利にどのくらい近づけたのか、わかったつもりだ。でも、彼はいい選手で、このような舞台を何度も踏んでいる。全体としてはネガティブなことよりも、圧倒的にポジティブな要素の多い試合だった」とマクドナルドは試合後に振り返った。
サム・クエリー(アメリカ)はカリフォルニアにいた頃からマクドナルドのことをよく知っており、この数年の急成長にさほど驚いていない様子だ。
「彼は大学時代からとにかく好奇心旺盛だった。何度か練習後に車で家まで送ったけど、いつも家に着くまで質問攻めにされたよ。“フォアハンドはどうやって打っている? ツアーの移動は大変?”という具合さ。それが今、こうして実を結んでいるのはうれしい限りだ」とクエリーはマクドナルドとの秘話を明かした。
マクドナルドはディミトロフと練習したこともあり、ロジャー・フェデラー(スイス)と打ち合ったこともある。彼の成功は、10代の内にプロに挑戦する以外にも、大学を経てからプロに転向するという道があることを証明した。
「大学に行ったから、ATPツアーに出ている選手と対戦する機会はあまりなかった。一度プロの門を叩いたら、あとは自分が持っているものをすべて出し尽くすしかない。僕はUCLAを飛び出してから、いつもそう意識しているよ」とマクドナルドは語った。(C)AP(テニスマガジン)
※写真は2回戦でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を最終セットまで追い詰めたマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 17: Mackenzie McDonald of the United States celebrates in his second round match against Grigor Dimitrov of Bulgaria on day three of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 17, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by Scott Barbour/Getty Images)
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