グランドスラムが2019年から32シードを16シードへ
グランドスラム大会が、2019年からシードを現在の32人から、かつての16人に減らすことを予定している。また今、故障のため棄権が遅れた選手にも、1回戦の賞金の半分を与えることになるという。
2日間の会議の末、火曜日にグランドスラム委員会が発表した内容には、次ようなものがある。
1回戦の途中棄権
グランドスラム大会のシングルス1回戦で途中棄権、あるいはプロのスタンダードに満たないパフォーマンスをした者は、1回戦敗退者に与えられる賞金と同額ほどにも至る罰金を科される可能性がある。
サーブクロック
オーストラリアン・オープンで、ポイント間の25秒を示す「25秒サーブクロック」が試されることになるが、今年のUSオープン同様、メインドローはその対象とはならない。
試合開始時間
厳密に義務付けられた試合前の時間――コートに入ってから1分後に両選手がネットで向かい合い、5分間のウォームアップを行い、続いてプレーを開始するための準備の1分――を守らなかった者には、最高2万ドルの罰金が科せられる可能性がある。
16シード制
4つのグランドスラム大会――オーストラリアン・オープン、フレンチ・オープン、ウインブルドン、USオープン――は2001年6月にシード選手の数を従来の16から32に増やした。この決断は部分的に、クレーコート・スペシャリストたちが、唯一グラスコートの上でプレーされるウインブルドンにおいて、より保護されたいという苦情を述べたことに対する返答として行われたことだった。
2019年にかつての16シードに戻るということは、少なくとも理論的には、早い段階で番狂わせが起きる可能性を増加させるはずだ。というのも、もしランキング・トップのプレーヤー皆が出場するというなら、世界1位が誰であれ、その選手は1回戦で世界17位と当たる羽目になる可能性があるからだ。
32シード制の際には、トップの誰ひとりもが、3回戦より前で33位以上の選手と当たらずにすんでいた。
1回戦の事前棄権、途中棄権、プレー中の十分な努力の欠如に関するルール変更は、今年のウインブルドンで起きた多くの1回戦途中棄権に対応してのものであるように見える。対戦相手が試合以前から抱えていた故障を理由に途中棄権したため、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)のセンターコートでの1回戦には40分しかかからず、ロジャー・フェデラー(スイス)の初戦も43分で終わった。その日、ほかのふたりの選手も試合の途中でプレーを放棄し、1回戦での途中棄権は合計7試合にものぼったため、お金を払って観に来た観客たちが不当に扱われる結果になっているのでは、という論議が巻き起こった。
火曜日に公布され、来年から発効となるこのルール変更によれば、グランドスラム大会で、もし選手がしっかりと戦えるだけの体調を持たず、現地で木曜日のドロー抽選開始前に棄権したなら、彼らは1回戦出場賞金の50%を受け取り、その代役となるラッキールーザーは残りの50%(+勝った場合には勝利の賞金)を受け取ることになる。ラッキールーザーとは、予選に出場したが決勝で敗れ、予選突破をし損ねたものの、棄権者が出たため、その代役として本戦出場権を得た者のことを指す。
このルール変更の論証は、故障したり、病気などで体調がすぐれない選手が、単に出場賞金を手に入れたいがために、棄権することを念頭にとりあえず試合を始める、というような事態を防ぐというものだ。
25秒のサーブクロックは、ATPツアーが男子選手に許しているよりも5秒多い時間を選手に与えるルールだ。しかし、グランドスラム委員会のディレクターであるビル・バブコック氏は、クロックは2018年オーストラリアン・オープンで、USオープンでそうだったように〈トライアル〉として採用される、と言った。USオープンでは、予選やジュニアの試合でのみテストされていた。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真はオーストラリアン・オープン男女トロフィー
MELBOURNE, AUSTRALIA - OCTOBER 10: The Australian Open Trophies are on display during the 2018 Australian Open Launch at Tennis HQ on October 10, 2017 in Melbourne, Australia. (Photo by Quinn Rooney/Getty Images)
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