アメリカ勢4強独占からスティーブンスとキーズが決勝へ、ジュニアの部で日本勢が健闘見せる [USオープンDAY11]
「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月28日~9月10日/ハードコート)は第11日、女子シングルスの準決勝2試合が行われた。
アメリカ勢が4強を独占する中、第9シードのビーナス・ウイリアムズが負けた時点で、グランドスラム新チャンピオン誕生が確実となる状況で、ノーシードの24歳スローン・スティーブンスが6-1 0-6 7-5で37歳ビーナスを破った。2013年の全豪オープンでベスト4入りしたスティーブンスだが、グランドスラムの決勝進出は初めてとなる。
もう一試合は第15シードの22歳マディソン・キーズと第20シードの25歳ココ・バンダウェイの一戦。いずれもグランドスラムではオーストラリアン・オープンでのベスト4入りが最高成績だが、殻を破ったのはキーズのほうだった。6-1 6-2の圧勝で決勝に進出した。
スティーブンスもキーズも10代の頃から「ポスト・セレナ」と期待を背負った逸材。そのセレナ・ウイリアムズが不在のUSオープンで初のメジャータイトルをかけて戦う。
◇ ◇ ◇
ところで、大会2週目に行われているジュニアの部の日本勢を紹介しておこう。男子4人、女子3人が出場したシングルスでベスト8に勝ち進んでいるのは、国内2位で16歳の田島尚輝(TEAM YONEZAWA)のみ。グランドスラム・ジュニアで初のベスト8だ。今年はオーストラリアン・オープンでグランドスラム初出場を果たして初戦敗退。その後、フレンチ・オープンで2回戦、ウインブルドンで3回戦、と成績を上げていき、今回はこの3回戦を突破するのが目標だった。
その3回戦、相手はキプロスの18歳メネラオス・エフスタシウー。田島は、前夜38度以上もの熱が出たという不安なコンディションから「12時間寝て」なんとか回復。
第1セットを6-0で一方的に奪うと、第2セット5-3のリターンゲームでマッチポイントを握った。これを逃し、続くサービング・フォー・ザ・マッチで土壇場のブレークバックを許す。結局タイブレークでこのセットを失ったが、よく立ち直った。
最終セットは第4ゲームから第6ゲームまでブレーク合戦で田島が4-2とリード、第9ゲームで訪れたこの試合2度目のサービング・フォー・ザ・マッチは30-0から30-30に追いつかれたが、落ち着いてスマッシュを決め、最後は相手のフォアハンドがネットにかかった。
大会前は「一つずつ勝ちを増やしてきたので、今回も一つ増やして3回戦を突破するのが目標。それ以上は来年目指します」とマイペースを語っていたが、ここまできたら自ずと気持ちも高まる。次の相手は第1シードのアクセル・ゲラー(アルゼンチン)だ。田島がウインブルドンの3回戦で敗れた相手で、ゲラーはその後も勝ち進んで準優勝した。ITFのジュニアランキングを自己最高の4位に上げている。
「リベンジするチャンスをまたグランドスラムでつかめたことがうれしい」と田島。アルゼンチンといえば、今大会はファン マルティン・デル ポトロが前日にロジャー・フェデラー(スイス)を破って準決勝進出を決めており、すでに敗れはしたがディエゴ・シュワルツマンがベスト8入りの快進撃を見せるなど、ノッている。ジュニアの男子にもベスト8にこのゲラーのほかにもう一人いる。無関係のようで、意外に〈ムード〉は重要だ。
日本勢のプロのほうは序盤のムードを維持できなかったが、ジュニアで盛り返せるか。ダブルスでも、昨年ここでベスト4入りした清水悠太(パブリックテニスイングランド)/堀江亨(関スポーツ塾・T)が今年も準決勝進出を決め、女子では内藤祐希(TEAM YONEZAWA)がラトビアの選手と組んで準々決勝に勝ち進んでいる。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)
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