今年も、ウインブルドンで定期的に開催されているグラスコート・セミナーに参加しています。

今年は約50名が参加している、このセミナー。今年もアジア人の参加は私のみです。

ヨーロッパを中心に集まった、所謂"Grass court"。サッカー、ゴルフ、クリケットなどの施設に関わるスタッフが集まります。

グラスコートの管理チーフのニールさんは芝生の知識だけでなく、長いテニスのプレーの変遷と共に技術を見続けてきた目も確かです。

初日の内容は、毎年恒例のウインブルドンのグラスコートメンテナンスの概要から始まって、ミミズや害虫の監理と対策から、昨今のヨーロッパの偏西風の変化による芝の疫病のレポートなどが続きます。

ロンドンでも冬場の温度が多額しつどが高い日が最近は多く、これが病害に繋がっているとの事です。

いつも思うことですが…日本とロンドンでは気候も大きく異なります。芝の管理方法や適切な対処法も当然、異なります。

昨年からの始まった水蒸気による、コートの殺菌のメンテナンスです。毎年、様々なメンテナンスのトライアンドエラーが続いています。

しかし、その中でも、全スポーツを通しても世界最大の芝生の会場で開催するイベントのスタッフや、それに関わる研究者の人々から聞く話は色々な事を教えてくれます。

日本でも秋場のメンテナンスの天敵。通称"雀の帷子"です。ウインブルドンのセンターコートも、毎年、苦しめられています。

例えば…ゴルフの全英オープンのコースを作るグリーンキーパーが持っている知識は、どのプレイヤーやキャディーやコーチよりも、ある意味、深い面があることは否定できないと、私は思います。

今年もウインブルドンのグリーンキーパーのチーフのニールさんが説明したコートサーフェスとフットワークの解説は非常に興味深いものでした。

また、実際のコートの管理についても、Poa annua(いわゆる雀の帷子)と呼ばれる雑草や、土の排水とバウンドの問題など…場所は変われど、世界中でグラスコートの管理についての悩みは同じようなものなのだな…と、妙に納得してしまいます。

あのセンターコートや1番コートすら、よくよく観察してみると、雀の帷子が、所々に顔を出しています。これだけ予算やスタッフを使い、手間隙をかけても自然を相手にするのは本当に大変です。

テニスが自然と向き合うことが基本にある競技という事を、しっかりと見つめながらプレーやテニスの歴史を振り替えると、また、様々な新しい発見があると思います。

グラウンド・スタッフにとっては今からのシーズンが戦いの本番です。来年の部隊のために準備が始まります。

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