スロースタートを克服したジョコビッチとティームがともに2回戦へ [エルステ・バンク・オープン]
第1シードのジョコビッチは同胞対決となった1回戦で4ゲームを連続で落とし、セットポイントを凌いだ末にフィリップ・クライノビッチ(セルビア)を7-6(6) 6-3で退けた。第2シードのティームはラッキールーザーで本戦入りしたビタリー・サチコ(ウクライナ)を6-4 7-5で倒した試合で、もう少しで5-1のリードをフイにするところだった。
それはジョコビッチにとってラファエル・ナダル(スペイン)に敗れたフレンチ・オープン決勝以来となる試合であり、2019年11月にマドリッドで開催されたデビスカップ・ファイナルズ以来の室内大会だった。
「今日のレベル以上のギアが何段もあるよう願ってるよ。今日は自分のパフォーマンス、自分のテニスついてポジティブであろうとしていたんだ」と今季の戦績を38勝2敗としたジョコビッチは試合後にコメントした。
「大会の出だしにややスローなスタートを切ったのは初めてのことじゃない。これから僕は毎日、正しい方向に向けて一歩ずつ進んでいくよ」と彼は言い添えた。
ジョコビッチは先にブレークして3-1とリードしたが、そこから頻繁に自分のヒッティングパートナーを務めているクライノビッチに対して4ゲームを連続で落とした。
しかしながらクライノビッチは5-4からの自分のサービスゲームでわずか1ポイントしか取ることができず、セットを締めくくることに失敗した。彼はまたタイブレークで6-5からのセットポイントをものにすることができず、続くポイントでスマッシュをネットにかけてしまった。
「フィリップが僕のテニスを熟知していることは知っている」とジョコビッチは語った。「ここ数日の僕はいい練習を積んできたけど、試合をプレーするというのはまた違ったことだ。ややナーバスになり、第1セットでの僕はいいプレーをしていなかった。彼は僕よりいいプレーをしており、僕は少しラッキーだった。1つか2つのポイントが試合の流れを変えかないからね」。
第2セットでも3-1とリードを奪ったジョコビッチは、今回は第5ゲームでブレークポイントを凌いだ末に滞りなく試合を終わらせた。最後はクライノビッチがフォアハンドをアウトし、このセット2度目のブレークで決着がついた。
これ以前にこの大会に出場した最後の機会だった2007年に優勝を遂げていたジョコビッチは、2回戦でボルナ・チョリッチ(クロアチア)と顔を合わせる。
前年度覇者として初戦に臨んだティームもまた、世界ランク529位のサチコに対してやや苦戦を強いられた。サチコは肩の故障で棄権した日本の錦織圭(日清食品)の代役として、ATPツアーの大会でデビューを果たした。ティームは第1セットで素早く5-1とリードを広げたが続いて自分のサービスゲームを2回連続で落とし、そのあと5-4からふたたびブレークした。
第2セットでのティームは4-1とリードしながら追いつかれたが、6-5からパワフルなバックハンドのパッシングショットでブレークして試合をものにした。
「僕は試合に入っていくことに問題を抱え、あまりに頻繁にサービスゲームを落としてしまった。でも全般的には満足しているよ。最後の数ゲームはいいプレーだった」とティームは振り返った。USオープン優勝者のティームにとって、それは母国オーストリアで連続10回目となる勝利だった。彼は昨年のキッツビューエルとウィーンの2大会で優勝していたのだ。
ティームは次のラウンドで、スタン・ワウリンカ(スイス)を6-4 6-7(9) 6-3で破って勝ち上がったクリスチャン・ガリン(チリ)と対戦する。ワウリンカは2007年大会の決勝で、ジョコビッチの対戦相手だった。
そのほかの試合では、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、ホベルト・ホルカシュ(ポーランド)、ダニエル・エバンズ(イギリス)、ラッキールーザーで本戦入りしたロレンツォ・ソネゴ(イタリア)が2回戦に駒を進めた。
健康と安全に関する対策が厳しくなる中、9000人収容のシュタットハレ・アリーナには1000人の観客が入場を許されている。(APライター◎エリック・ウィレムセン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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