フレンチ・オープンで2度目の栄冠に輝いたエルベールとマウが東京オリンピックを見据える
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の男子ダブルスで2度目の地元優勝を飾ったニコラ・マウ(フランス)とピエール ユーグ・エルベール(フランス)のフランス人ペアは今、気持ちを来たる東京オリンピックに集中させようとしている。
ともに組んですべてのグランドスラム男子ダブルスで栄冠に輝いたマウとエルベールは、土曜日の決勝でアレクサンダー・ブブリク/アンドレイ・ゴルベウ(ともにカザフスタン)を4-6 7-6(1) 6-4で倒した。同ペアで獲得した四大大会のタイトルは、これで5つ目となった。
第二次世界大戦以降でロラン・ギャロスを2度制した唯一のフランス人ペアとなったあと、マウは背中から倒れて頭に両手を当てた。マウとエルベールは同大会で最初のタイトルを、3年前の2018年に勝ち獲っていた。
「僕は子供の頃から、ロラン・ギャロスで優勝することが夢だったんだ。この観客たちの前でもう一度やってのけることができるなんて、恐らくこれはここまで体験した中で最高の感動だよ」とエルベールは語った。
非常に感情的になっていたマウは涙を堪えようと苦労しながら、オリンピックの男子ダブルスで金メダルを勝ち取ることが彼のキャリアの最後の大きなゴールになる可能性があると話した。
「僕らはその目標を達成するために一生懸命に取り組んでおり、それが僕らのモチベーションを掻き立てているんだ。練習に出ていくのが辛いと感じるときには、その目標のことを考えるようにしているよ」と彼は明かした。
第6シードのフランス人ペアは木曜日の準決勝で、3つのマッチポイントを凌いだ末に第2シードのフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(ともにコロンビア)に6-7(2) 7-6(2) 6-4で競り勝っていた。
ブブリクとゴルベウはこのペアで初のツアーレベルのタイトルを獲得すること、そしてグランドスラム大会で優勝した初のカザフスタン人男子プレーヤーとなることを目指していた。四大大会でタイトルを獲得したことのある唯一のカザフスタン人は、2010年ウインブルドンとUSオープンで女子ダブルスを制したヤロスラーワ・シュウェドワ(カザフスタン)のみとなっている。
カザフスタンペアは第2セット5-4からサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えたが、ブブリクがダブルフォートを犯して土壇場でブレークバックを許してしまった。エルベール/マウはそのあともつれ込んだタイブレークで主導権を握り、最終セットに持ち込むことに成功した。
彼らは第3セット第4ゲームでふたつのブレークポイントをセーブし、それから第7ゲームでブレークしたリードを守って最後はエルベールのサービスゲームをキープして歓喜の瞬間を迎えた。地元の観客たちはフランス国歌のアカペラバージョンを歌い、彼らの勝利を祝った。(APライター◎サミュエル・ペトレキン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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