「ノバクを止めるためにここにいる」4度目の出場となるチチパス [ウインブルドン]

写真はステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)に第3シードとして臨むステファノス・チチパス(ギリシャ)が大会前の記者会見に臨んだ。

 フレンチ・オープン決勝後は大会に出場しなかったため、ウインブルドンでグラスコートシーズンの初戦を迎える。

「ロンドンの郊外で過ごして、数日休んでからここに来た。グラスコートシーズンに向けてこの4、5日はフィジオセラピーとトレーニングを行ってきた。8日前にグラスコートのテニスに向けての練習を始めたばかりだ」 

 フレンチ・オープン決勝で敗れたノバク・ジョコビッチ(セルビア)の強さを身に染みて感じた。

 「彼は完璧な選手。ここで歴史を作るだけのポテンシャルがある。僕ら若い世代は勝利に飢えており、彼のような成功を求めている。ここにいるのはノバクを止めるためだ。(全仏決勝で)彼と戦ってみて、本当に勝つのが難しいと実感した」

 だが、今大会でジョコビッチとの対戦はまだ意識していない。

「彼はテニス史上最高の選手の一人。そこに辿り着くまでに物凄い努力を重ねてきたはず。今現在一番強い選手だ。グラスコートでも彼はいい成績を残しているし、自信もあるだろう。今大会で僕が彼と対戦する(準決勝)まで、かなり長い道程がある。どちらもそこまで勝ち上がるのは簡単じゃない」

  得意なクレーコートと真逆の特徴を持つグラスコートでのプレーも問題ないという。 

「僕はネットに出られる選手。サーブ&ボレーも自信を持っている。グラスコートのサーフェスは年々少しだけゆっくりになってきている。ベースライナーにとってプレーしやすくなってきた」

 だが、実戦経験不足は否めない。

「今はグラスコートでの試合経験が足りていないと感じている。今回はゼロ、いつもはウインブルドンの前に1つくらいしかグラスコートの大会に出ていない。僕は試合を重ねて勝つことによって自信を深めていくタイプだ。その機会はまだ得られていない。経験を重ねることで前に進めるもので、以前とものの見え方が徐々に変わっていくものだ」

 2年前のウインブルドンは1回戦でトーマス・ファビアーノ(イタリア)にフルセットの末に敗れた。

「今は別人になって、自信も深めている。2年前はプランB、プランCは持っておらず、一つのプランで戦うしかなかった。経験が足りなかったんだ。ツアーでの経験も十分ではなかった。残念だし、惨めな敗戦だった。あのときは気分がよくなかったし、楽しめていなかった。それからしばらく時間が必要だった。なぜ負けるのかを理解して、リアジャストする必要があった」

 2年前よりもいい成績を残す自信はある。

「グラスコートの練習は少しだけやった。でも問題ない。自信をつけるには数試合が必要だ。とにかく1試合1試合やってみるだけだ。誰にも未来は見えない。でも実際、僕はグラスコートが好きなんだ。2年前はいい成績ではなかったのは確か。あれよりいい成績を残す自信はある。テニスをするのが楽しいし、伝統的な大会で戦える貴重な機会を楽しみたい」

 チチパスは1回戦でフランシス・ティアフォー(アメリカ)と対戦する。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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