「無観客にジレンマはある」オリンピック開幕前の会見で語ったジョコビッチ[東京2020]

オリンピックのテニス競技の会場となる真昼の有明のコートで練習するノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


「東京オリンピック2020テニス競技」(東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/7月24日~8月1日/ハードコート)に出場するノバク・ジョコビッチ(セルビア)が大会前に記者会見で語った。

 ゴールデンスラム達成の可能性について。

「まだ先は長いけど、今はそれを狙えるいい位置につけている。しかし、物事をゆっくりと慎重に捉えたい。過去に経験が足りず、アプローチの仕方がよくなかったから、今回は慎重になる必要がある。自分のパフォーマンスに悪い影響を与えかねない周囲の雑音がたくさんあることに気付いたんだ。歴史的な記録が手の届くところにあるのは分かっている。この位置にいられることは光栄だ。もちろん、チームとともにここに辿り着くまでにハードワークをしてきた。すべてがいい方向に進んだときに初めて、歴史について語ることにしようよ」

 1988年に唯一ゴールデンスラムを達成したシュテフィ・グラフ(ドイツ)とこの話題について話したことがあるのか。

「もし君がいま彼女とここで繋いでくれるなら、どうやって達成したのか聞いてみたいよ。彼女の偉大な記録について考えていたとき、“達成可能な記録”とは簡単に言いたくないけど、もしかしたら男女のどちらかで誰かが達成する可能性がほんのわずかだけあるのかなと思った。でも今となってはそれがどんどん現実味を帯びている。もちろん僕の夢、大きな目標のひとつだ」


有明コロシアムで練習するジョコビッチ

 大会が行われるコートで実際に練習した感触は?

「日本に戻ってこられて凄くいい気分だ。数年前もここに来たから、そのときの経験を生かしたい。しかし、そのときとはコンディションが全然違う。すごく暑くて湿度も高い。コート上の気温は空気中よりも10度か15度くらい高いんじゃないかな。でも、その環境と向き合わなければならない。うまく順応できていると思うし、自分のプレーにも満足している。もう少しトレーニングすればいい状態になるはずだ」

 大坂なおみ(日清食品)について。

「大坂なおみはテニス界で偉大なチャンピオン。自分の母国で無観客の中で戦うのは彼女にとって理想的とは言えない。でもそれが現実だから受け入れるしかないだろう。彼女と錦織圭(日清食品)は両肩に大きな責任を背負うことになる。しかし、彼女はトップレベルで戦ってきた経験もあるから、君ら(マスコミ)が彼女に問題を引き起こすことはできないだろう」


ロンドン、リオとオリンピック2大会連続で金メダルを獲得したアンディ・マレー(イギリス)と打ち合ったジョコビッチ

 ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)のいない大会でプレーするのはどんな心境か?

「この15年間で、ロジャーとラファがいないビッグトーナメントを戦った経験があまりない。だから、正直不思議な気分だ。ほとんどの大会で少なくともどちらかは出場していたからね。それでも、世界トップレベルの選手が何人かはここに来ている。世界ランキングのトップ6位、7位以内の選手が今大会でメダルを獲得する有力な候補になるだろう。でも彼らと対戦するのは、勝ち進んでからになるはずだ」


観客のいない有明のコートでリラックスした様子のジョコビッチ 

 無観客でプレーすることになる。

「僕はいつでも観客から、マイナス、プラス両方のパワーをもらって戦っている。それがプロとしてプレーしている大きな理由でもある。どんなスポーツでも重要な要素となる観客、ファン、彼らのエネルギーを欠くのは大きな違いだ。だが、それでもオリンピックであることには変わりない。そこに少しジレンマはあったが、出場することを決断した。そしてオリンピックにはその他にも素晴らしい魅力がたくさんある。だからそのポジティブな面にフォーカスしたいと思う」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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